強化学習の「方策勾配法」とは?誤解しやすいポイントを解説 【G検定対策】

G検定対策

はじめに

強化学習は、G検定においても重要なトピックのひとつであり、特に方策勾配法(Policy Gradient Method)に関する問題は頻出だ。

本記事では、G検定の過去問をもとに、「方策勾配法とは何か?」を整理しながら、誤解しやすいポイントを解説する。


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方策勾配法とは?

強化学習における「方策(Policy)」とは、エージェントがどの状態でどの行動を選択するかを決めるルールのことを指す。
この方策を最適化する手法のひとつが、方策勾配法(Policy Gradient Method)である。

方策勾配法の特徴

  • 方策をパラメータで表現する
    方策を何らかのパラメータ化された関数(例えばニューラルネットワーク)で表し、そのパラメータを更新することで学習を進める。

  • 方策を直接学習する
    価値ベースの手法(Q学習など)と異なり、方策そのものを最適化するため、連続的な行動空間にも適用しやすい。

  • 方策勾配定理に基づいて計算される
    方策勾配法では、「方策勾配定理(Policy Gradient Theorem)」に基づいて勾配を計算し、方策のパラメータを最適化する。


G検定の過去問を見てみよう

実際の試験で出題された問題を確認しよう。

問題:
強化学習の手法の1つとして利用されている、方策勾配法の説明として、最も不適切な選択肢を選べ。

選択肢

  1. 方策をあるパラメタで表される関数とし、そのパラメタを学習することで、直接方策を学習していく
  2. 方策反復法の1つの手法である
  3. 方策勾配定理に基づき実装される
  4. モンテカルロ法を用いて学習する

✅ 正解は「2. 方策反復法の1つの手法である


なぜ「方策反復法」ではないのか?

方策勾配法と「方策反復法(Policy Iteration)」は、名前が似ているため混同しやすい。
しかし、両者は異なる概念である。

方策反復法(Policy Iteration)とは?

方策反復法は、動的計画法に基づく強化学習の手法であり、次の2つのステップを繰り返す。

  1. 方策評価(Policy Evaluation)
    • 現在の方策を評価し、状態ごとの価値を求める
  2. 方策改善(Policy Improvement)
    • 評価結果をもとに、方策をより良いものへと更新する

この手法は価値ベースのアプローチであり、方策を直接最適化する方策勾配法とは異なる。


他の選択肢についても確認しよう

選択肢 正誤 解説
方策をあるパラメタで表される関数とし、そのパラメタを学習することで、直接方策を学習していく ✅ 正しい 方策勾配法は、方策をパラメータ化し、そのパラメータを最適化する手法である。
方策勾配定理に基づき実装される ✅ 正しい 方策勾配定理(Policy Gradient Theorem)は、方策のパラメータを最適化するための基本理論であり、方策勾配法はこの定理を活用する。
モンテカルロ法を用いて学習する ✅ 正しい モンテカルロ法を利用する手法(REINFORCEなど)があり、行動の報酬をサンプルベースで評価することで学習を進める。
方策反復法の1つの手法である ❌ 誤り 方策勾配法は、動的計画法に基づく方策反復法とは異なる。価値ベースではなく、方策を直接最適化する手法である。

実務での方策勾配法の活用例

方策勾配法は、実際のAIプロジェクトにおいてもさまざまな応用がある。特に以下のようなケースで有効だ。

  1. ロボット制御
    • 連続的な動作が求められるロボットの操作において、方策を直接最適化できる方策勾配法が適している。
  2. ゲームAIの学習
    • ゲームにおけるエージェントの行動最適化に利用される。代表的な例として、AlphaGoやAtariゲームのAIなどがある。
  3. 金融取引の最適化
    • 株取引やオプション取引における意思決定を最適化するために利用される。

特に、連続的なアクションが求められる場面では、Q学習などの価値ベースの手法よりも方策勾配法のほうが適していることが多い。


まとめ

G検定では、方策勾配法に関する理解が問われることが多い。試験対策として、以下のポイントを押さえておこう。

✅ 方策勾配法とは?
– 方策をパラメータ化し、直接最適化する強化学習手法。
– 方策勾配定理に基づいて学習される。

✅ 誤解しやすいポイント
– 「方策反復法」とは異なり、動的計画法ではなく勾配最適化を利用する。
– モンテカルロ法を用いた学習も可能(例: REINFORCE)。

✅ 試験対策のポイント
– 方策勾配法と価値ベースの手法(Q学習、方策反復法)を明確に区別すること。
– 方策勾配法の具体的な応用例(ロボット制御、ゲームAI、金融取引)を理解する。

G検定の出題範囲は広いが、特に強化学習の基礎をしっかり押さえておくことで、合格への道が開ける。試験対策と実務の両方に活かせる知識として、しっかりと理解を深めておこう。

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