Linux MintでNVIDIAドライバをインストールし、解像度を最適化する方法

プログラミング

はじめに

Linux Mint環境で高解像度の画面を使用するためには、適切なGPUドライバのインストールが不可欠だ。
しかし、NVIDIAドライバの導入は初心者にとってハードルが高い。
インストールしても画面が映らない」「nouveauドライバが邪魔をする」「Secure Bootが干渉する」など、問題に直面することも多いだろう。

この記事では、NVIDIAの公式ドライバをインストールし、適切な解像度を設定する方法を詳しく解説する。
公式ドライバの恩恵を最大限に受けるため、手順を一つずつ確認していこう。


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1. 現在のGPU状況を確認する

まず、現在の環境でNVIDIAのGPUが認識されているかを確認する。

lspci | grep -i nvidia

これにより、PCIバス上のNVIDIAデバイスが検出されるはずだ。もし何も表示されない場合は、物理的にGPUが接続されていない可能性がある。

次に、現在のドライバが「nouveau(オープンソースドライバ)」なのかをチェックする。

lsmod | grep nouveau

nouveauが読み込まれている場合、公式NVIDIAドライバを入れる前に無効化が必要だ。


2. 必要なパッケージをインストール

ドライバを正常にビルド・動作させるために、依存関係のパッケージをインストールする。Ubuntu/Debian系の場合は以下を実行。

sudo apt update && sudo apt install build-essential libglvnd-dev dkms -y

RedHat系(RHEL、CentOS、Fedora)では以下のコマンドを使用する。

sudo dnf install kernel-devel kernel-headers gcc make -y

これを実施しないと、カーネルモジュールのコンパイルが失敗することがあるため注意が必要だ。


3. nouveauドライバを無効化

NVIDIAの公式ドライバとnouveauは競合するため、事前にnouveauを無効化する。

sudo bash -c "echo blacklist nouveau > /etc/modprobe.d/blacklist-nvidia-nouveau.conf"
sudo bash -c "echo options nouveau modeset=0 >> /etc/modprobe.d/blacklist-nvidia-nouveau.conf"
sudo update-initramfs -u

変更を適用するため、一度再起動するのが望ましい。


4. グラフィカルモードを終了

ドライバのインストールはXサーバーが停止している状態で行う必要がある。GUIを一時的に無効化し、CUIモードへ移行する。

sudo systemctl isolate multi-user.target

画面が黒くなり、ログインプロンプトが表示されたら成功だ。


5. NVIDIAドライバのインストール

ダウンロードしたNVIDIAの実行ファイルに実行権限を付与する。

chmod +x NVIDIA-Linux Mint-x86_64-*.run

そして、インストールを実行。

sudo ./NVIDIA-Linux Mint-x86_64-*.run --dkms -s

オプション解説:
--dkms → カーネル更新時に自動的にドライバを再構築
-s → サイレントモード(対話なしでインストール)

途中で何らかのエラーが出る場合、事前に古いNVIDIAドライバがインストールされていないか確認し、競合する場合は削除する。

sudo apt remove --purge '^nvidia-.*'

6. 再起動し、動作確認

インストールが完了したら、システムを再起動する。

sudo reboot

再起動後、GPUが正しく動作しているかをチェックする。

nvidia-smi

これにより、GPUの使用状況やドライババージョンが表示される。さらに、GUI環境で設定を変更したい場合は以下を実行。

nvidia-settings

ここから解像度の調整が可能になる。


追加設定とトラブルシューティング

Secure Bootの無効化

UEFI Secure Bootが有効になっている場合、ドライバの署名が必要になる。問題が発生した場合はSecure Bootを無効化する。

sudo mokutil --disable-validation

その後、再起動して設定を反映させる。


リポジトリ経由でのインストール

NVIDIAの公式サイトから直接ドライバをダウンロードするのが基本だが、Ubuntuでは公式リポジトリから簡単にインストールも可能だ。

sudo add-apt-repository ppa:graphics-drivers/ppa -y
sudo apt install nvidia-driver-535 -y

ただし、この方法では最新のドライバがすぐに反映されない可能性があるため注意。


解像度の手動設定

場合によっては、nvidia-settingsで解像度が変更できないことがある。その場合はxrandrコマンドを使う。

xrandr --newmode "1920x1080_60.00" 173.00 1920 2048 2248 2576 1080 1083 1088 1120 -hsync +vsync
xrandr --addmode HDMI-1 "1920x1080_60.00"
xrandr --output HDMI-1 --mode "1920x1080_60.00"

適切な解像度が表示されない場合は、モニタのEDID情報を確認するのも一つの手だ。


まとめ

NVIDIAドライバをLinux Mintに正しくインストールすることで、GPUのパフォーマンスを最大限に活かせる。
手順を誤ると画面が映らなくなったり、Xサーバーが起動しなくなることもあるため、慎重に作業を進めることが重要だ。

特に以下の点に注意しよう:
– nouveauの無効化を忘れない
– Secure Bootが有効なら無効化
– GUIを停止してからインストール
– 必要ならxrandrで解像度を手動設定

この手順を踏めば、快適なNVIDIA環境をLinux Mint上で構築できるはずだ。

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