はじめに
AIの発展に伴い、自然言語処理(NLP)の技術はますます高度化している。
G検定では、NLPの最新トレンドに関する出題もあり、その中でもBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)に関する知識は頻出だ。
今回取り上げるのは、BERTの後継としてふさわしくない選択肢を見極める問題だ。見慣れた名称に惑わされないよう、確かな理解を積み上げていこう。
問題:BERTの後継モデルとして、最も不適切な選択肢を選べ。
選択肢
- ERNIE
- GoogLeNet
- XLNet
- ALBERT
正解は「2. GoogLeNet」
各選択肢の解説
なぜ「GoogLeNet」が不適切なのか?他の選択肢と比較しながら、その理由を明確にしていく。
ERNIE(Enhanced Representation through kNowledge Integration)
BERTのアーキテクチャを拡張し、外部知識を統合することで文脈理解を強化したモデル。
Baiduが開発したNLP向けのトランスフォーマーモデルであり、BERTの後継のひとつといえる。
XLNet
BERTの欠点とされる「マスク言語モデル」による事前学習の問題を克服するために開発された。
自己回帰的な学習手法と双方向の文脈理解を組み合わせ、高精度な自然言語処理を実現した。
明確にBERTの改良版と位置付けられる。
ALBERT(A Lite BERT)
名前の通り、軽量化されたBERT。
パラメータ共有とファクター分解埋め込みを導入することで、モデルサイズを縮小しつつ、精度を維持した。
Google ResearchとToyota Technological Institute at Chicagoの共同開発であり、BERTの進化形といえる。
GoogLeNet
画像認識分野で有名な深層学習モデル。Inceptionアーキテクチャを採用し、ImageNetで優れた成績を収めた。
ただし、これはNLPではなく画像処理(CV:Computer Vision)に特化したモデルであり、BERTの後継とは無関係だ。
なぜGoogLeNetが不適切なのか?
| モデル名 | 用途 | BERTとの関係性 |
|---|---|---|
| ERNIE | 自然言語処理 | BERTを拡張し、知識統合を強化した後継モデル |
| XLNet | 自然言語処理 | BERTの問題点を改善したモデル |
| ALBERT | 自然言語処理 | BERTの軽量版として設計された |
| GoogLeNet | 画像認識 | BERTとは用途が異なり、関連性がない |
GoogLeNetはトランスフォーマーすら使用していない。
自然言語処理の文脈では、明らかに場違いな選択肢となっている。
補足:BERTとその後継モデルの意義
BERTはNLPの精度を飛躍的に向上させた画期的なモデルだが、万能ではない。
その限界を克服するため、さまざまな後継モデルが生まれている。
| モデル | 改善点 |
|---|---|
| XLNet | 学習手法の改良により、文脈理解力を強化 |
| ALBERT | モデルサイズの削減と学習効率の向上 |
| ERNIE | 外部知識の統合による意味理解の強化 |
このように、それぞれ異なる観点からBERTを拡張しようとする試みが進んでいる。
GoogLeNetはこうした流れとは無関係であり、選択肢として不適切だと判断できる。
まとめ
G検定では、単なる用語暗記ではなく、「文脈やモデルの特性に基づいた判断」が求められる。
今回の問題では、「NLPかどうか?」という視点で見極めることがカギとなった。
✅ BERTの後継としてふさわしいのは:XLNet、ALBERT、ERNIE
❌ 明らかに分野が異なる:GoogLeNet(画像認識モデル)
このように選択肢の裏にある「モデルの目的」や「適用領域」を把握することが、正答率向上のポイントとなる。
G検定合格を目指すなら、用語だけでなく背景まで押さえておこう。


コメント