はじめに
OneDriveを使っていると、ある日突然「ドキュメント」「ピクチャ」「デスクトップ」などが自動的に同期されていることに気づく。
Microsoftは「大切なファイルを自動でクラウドにバックアップしておきますね!」という顔をしてくる。
だが実際のところ、それは“バックアップ”というより“移動”に近い。
そして恐ろしいのは、無料の5GB制限を超えた瞬間だ。
OneDriveは「容量がいっぱいです。課金してください」と冷静に告げる。
ユーザーは「じゃあ削除すればいいか」と思う。
だがここに最大の落とし穴がある。
OneDriveの“自動バックアップ”は実は“同期”
多くの人が誤解しているが、OneDriveが行っているのは“バックアップ”ではなく“同期”だ。
つまり、クラウド上のファイルとローカルのファイルは同一体扱い。
片方を削除すれば、もう片方も削除される。
一見便利なようで、これが地獄の始まりになる。
たとえばPCのデスクトップにある大事なファイルを「OneDriveから削除」した瞬間、
実際のPC上からも消える。
OneDriveは「コピーしてあげた」わけではなく、
「ここにしか置いてないからね」という態度を取る。
ユーザーから見れば、これはもはや“バックアップ”ではなく拉致だ。
元の状態に戻す方法
落ち着いて対応すれば、データを救出できる場合もある。
以下の手順を試してほしい。
- OneDriveのウェブ版にアクセスし、削除済みアイテムを確認する
30日以内であれば復元可能。 -
同期設定を一度オフにする
設定 → アカウント → バックアップの管理 → 「フォルダーのバックアップを停止」 -
ローカルにコピーを作成してから削除を行う
エクスプローラーでファイルを右クリック → コピー → 別の場所(例:Dドライブや外付けHDD)に貼り付ける。 -
可能なら、OneDriveをアンインストールまたは初期化して再設定する
これで“拉致状態”から解放される。
無料クラウドに頼りすぎない設計を
OneDriveに限らず、Google DriveやiCloudも同様の罠を抱えている。
無料の範囲で「自動バックアップ」をうたう機能は、実際には“同期”のケースが多い。
本当にバックアップを取りたいなら、独立した外付けHDDやNAS、またはバックアップ専用ソフトを使うべきだ。
クラウドは便利だが、信用しすぎると突然データを持っていかれる。
それはもはや「親切な保存」ではなく静かな略奪だ。
まとめ
- OneDriveの“自動バックアップ”は、実際には同期=移動に近い。
- 削除すれば元データも消えるため、安易に削除や同期解除を行うのは危険。
- データを守るのはサービスではなく、自分自身の設計意識。
「便利さの裏にリスクあり」
この一言を胸に、今日からバックアップ環境を見直してほしい。
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