はじめに
Ubuntuを業務で使用していると、ある日ログファイル「syslog」が異様に肥大化していることに気づいた。
動作が重くなったり、起動に時間がかかる原因にもなり得るため、状況を調査し、対応策を講じた。
この記事では、実際に行ったトラブルシュートの手順を紹介する。
UbuntuをノートPCで運用しているユーザーにとって有用な内容となっているはずだ。
使用した環境
ツール | バージョン | 備考 |
---|---|---|
Ubuntu | 22.04 LTS | Linuxディストリビューション |
ログファイルの確認
syslogの中身を調べる
まず、どのようなログが出力されているのかを確認した。
以下のコマンドでsyslog
を開く。
sudo nano /var/log/syslog
すると、次のようなエラーが大量に繰り返されていた。
systemd-logind[514]: Suspending...
systemd-logind[514]: Unit suspend.target is masked, refusing operation.
systemd-logind[514]: Failed to execute suspend operation: Permission denied
ログ出力の原因を探る
使用していたのはノートPCで、業務中は常にカバーを閉じた状態にしていた。
このPCではスリープを無効にする設定を行っていたため、通常なら不要なログは出ないはずだった。
確認したところ、/etc/systemd/logind.conf
ファイル内でHandleLidSwitch=ignore
の設定をすでに適用済み。
それにもかかわらずログが出力されていたため、他の関連設定が影響している可能性があると判断した。
実施した対応策
logind.confの追加設定
不要なログ出力を完全に止めるため、logind.conf
ファイルをさらに修正した。
以下のように複数のパラメータをignore
に設定する。
sudo nano /etc/systemd/logind.conf
HandleSuspendKey=ignore
HandleHibernateKey=ignore
HandleLidSwitch=ignore
HandleLidSwitchExternalPower=ignore
HandleLidSwitchDocked=ignore
これにより、サスペンドやハイバネートに関連するすべてのトリガーが無効化される。
再起動して設定を反映
設定変更後、再起動を実行して反映させる。
reboot
再起動後は不要なログが出力されなくなり、syslog
の肥大化も収束した。
まとめ
Ubuntu端末でsyslog
が急激に大きくなる場合、logind.conf
の設定見直しが有効な対処法となる。
ノートPCの運用状況や省電力設定によっては、サスペンド関連のログが頻繁に出力されることがあるため、適切な無効化が肝心だ。
無駄なログを抑えることで、ログ管理が容易になり、端末の動作安定にもつながる。
Linuxを業務利用しているユーザーほど、こうした設定の細部に目を向けるべきだろう。
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