はじめに
スマートフォンの普及によって姿を消しつつあった折りたたみ式の携帯電話。
しかし、その使い勝手を愛する層に向けて、全く新しい形で進化を遂げた端末が登場した。それが「ガラホ」だ。ガラケーの皮を被りながら、その内側にはスマートフォンと同じ心臓部を宿している。
ガラホとは? 携帯電話の進化が生んだ第3の選択肢
ガラホは、日本独自の進化を遂げた「ガラパゴス携帯(ガラケー)」と「スマートフォン」の名称を掛け合わせた造語だ。
その定義を端的に言えば、「スマートフォンの技術を転用して作られた、ガラケー型の携帯電話」となる。

見た目や操作方法は従来の二つ折り携帯そのものだが、システムを動かす基盤にはAndroid OSが採用されている。
3G回線の終了が近づくなか、4GやLTEといった高速通信規格に対応させる必要が生じたことから、既存のスマホ技術を流用する形で誕生した。これにより、従来の使い勝手を維持したまま、現代の通信インフラに最適化された動作が可能になっている。
これまでのガラケーは、日本独自の進化を遂げたがゆえに世界の通信規格から切り離されてしまった。
対してガラホは、スマートフォンの基盤を流用することで、インターネットとの親和性を大幅に向上させている。ブラウザでウェブサイトを閲覧する際の読み込み速度や、メールの送受信における安定感は、かつての携帯電話とは一線を画す。
ガラケーともスマホとも異なる独自の立ち位置
多くの人が混同しやすいが、ガラホはガラケーの単なる後継機ではない。
最大の違いは、通信規格と拡張性にある。現在、従来の3G通信を利用するガラケーは各キャリアでサービスの終了が予定されているが、ガラホはスマートフォンの電波網を利用するため、今後も長く使い続けられる。
一方で、スマートフォンとの違いは操作の思想に表れている。
スマートフォンが「画面に触れて全ての作業を完結させる」ことを前提にしているのに対し、ガラホは「片手で持ち、指先の感覚だけで操作する」というケータイ本来の体験を何よりも優先している。タッチパネルを搭載しないモデルも多く、十字キーやテンキーを駆使して画面上のカーソルを動かす。この不自由さとも取れる仕様こそが、誤操作を防ぎ、確実な入力を求める層から熱烈な支持を受ける理由だ。
期待と現実のギャップ
ガラホを選ぶ際に最も注意すべき点は、アプリの対応状況だろう。
中身がAndroidであるからといって、全てのスマートフォン向けアプリが動くわけではない。Google Playストアが搭載されていない機種が大半であり、自由にアプリを追加してカスタマイズする楽しみは限定的だ。
特定のコミュニケーションツールや地図アプリがプリインストールされていることは多いが、それらもガラホの画面比率やテンキー操作に最適化されている。スマートフォンと全く同じ体験を期待すると肩透かしを食う可能性がある。
あくまで「電話とメールを主軸に据え、必要最低限のスマートな機能を添える」という使い方が、この端末の持つポテンシャルを最も引き出してくれる。
まとめ
ガラホが真価を発揮するのは、ビジネスシーンや、シンプルさを極めたいライフスタイルにおいてだ。
物理キーは手袋をしたままでも操作でき、通話の終了もパタンと閉じるだけで済む。このスピード感と確実性は、タッチパネルには真似できない。
通話品質にこだわりたい、あるいはバッテリーの持ちを優先し、画面を眺める時間を減らしたいと考える人にとって、ガラホは最高のパートナーになる。
多機能すぎるスマートフォンに疲れ、連絡手段としての道具に立ち返りたいと願うなら、この「進化したケータイ」を選択肢に加える価値は十分にあるだろう。

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