WSLでAntigravityを「code .」のように起動する設定方法|リモート接続を自動化

備忘録

WSL(Windows Subsystem for Linux)での開発中、ターミナルで code . と打ち込み、瞬時にVS Codeを立ち上げる。あの流れるような操作感は、一度慣れると手放せない。

山猫シロ
山猫シロ
Antigravityも使い心地は最高なんだけど、WSLから開くなら『リモート接続』の魔法が欲しい!

しかし、Googleが提供するエディタ「Antigravity」をWSLで使おうとすると、一つの壁にぶつかる。antigravity . と実行しても、VS Codeのように「WSLリモート接続状態」で自動起動してはくれないのだ。

この記事では、WSL上のターミナルからAntigravityを code . と同じ感覚で使いこなすための設定手順を解説する。


本手順には、アプリケーション内部のスクリプト編集が含まれる。
作業は自己責任で行ってほしい。


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ステップ1:パスを通し、短いコマンドで呼び出す

まずはWSL側のターミナルから、Windows側にインストールされているAntigravityを呼び出せるようにする。

通常、Antigravityの実行ファイルはWindowsの AppData 配下に隠れている。これを毎回フルパスで叩くのは現実的ではないため、シンボリックリンクを作成して agy などの短いエイリアスで起動できるように設定しよう。

WSLのターミナルで以下のコマンドを実行する。

# <USER> の部分は、自身のWindowsユーザー名に置き換えてほしい
ln -sf "/mnt/c/Users/<USER>/AppData/Local/Programs/Antigravity/bin/antigravity" ~/.local/bin/agy

~/.local/bin にパスが通っていない場合は、echo $PATH で確認し、パスが通っているディレクトリ(/usr/local/bin など)を適宜選択してほしい。


ステップ2:起動スクリプトの「ID」を書き換える

リンクを張っただけでは、単にWindows側のエディタが立ち上がるだけで、WSL内のファイルを編集するモードにはならない。
これは、起動スクリプト内で指定されている「リモート接続用拡張機能のID」が、VS Code標準のもののままになっているからだ。

山猫シロ
山猫シロ
中身はVS Codeベースのはずなのに、なんでWSLを認識してくれないんだ?
……あ、接続用の『鍵』が違うのか!

以下のファイルを、VS Codeやvimなど使い慣れたエディタで編集する。

編集対象:
/mnt/c/Users/<USER>/AppData/Local/Programs/Antigravity/bin/antigravity

スクリプト内の if [ $IN_WSL = true ]; という条件分岐を探し、WSL_EXT_ID の値を書き換える。

# ...中略...
if [ $IN_WSL = true ]; then
    # ...中略...

    # 元々の設定(コメントアウトする)
    # WSL_EXT_ID="ms-vscode-remote.remote-wsl"

    # Antigravity用のIDに書き換える
    WSL_EXT_ID="google.antigravity-remote-wsl"
# ...中略...

この一行の変更が、WSLとAntigravityを繋ぐ架け橋となる。


ステップ3:ヘルパースクリプトを移植する

最後の仕上げだ。AntigravityはVS Codeをベースにしているが、WSL接続に必要な一部の「橋渡し用スクリプト」が不足している場合がある。
これをVS Codeの拡張機能フォルダから拝借し、Antigravity側へコピーする。

この作業は、Windows側の PowerShell で行うのがスムーズだ。

# 1. VS Codeの拡張機能ディレクトリへ移動
cd $ENV:USERPROFILE\.vscode\extensions\

# 2. インストールされている「remote-wsl」のバージョンを確認
# 一覧が表示されるので、最新のフォルダ名を確認してほしい
ls | where Name -match "ms-vscode-remote.remote-wsl-"

# 3. スクリプトをAntigravityのディレクトリへコピー
# 例としてバージョンが 0.104.3 の場合を記載する
$ver = "0.104.3" # ここを実際のバージョンに合わせる
cp -Recurse ".\ms-vscode-remote.remote-wsl-$ver\scripts" "$ENV:USERPROFILE\AppData\Local\Programs\Antigravity\resources\app\extensions\antigravity-remote-wsl"

この手順により、WSL環境を認識するための「足場」がAntigravity側に構築される。


結果:ターミナルが「真の入り口」になる

設定が完了したら、WSLのターミナルで適当なプロジェクトディレクトリに移動し、こう打ち込んでみてほしい。

agy .

無事にAntigravityが立ち上がり、ウィンドウの左下に「WSL: <ディストリビューション名>」と表示されていれば成功だ。

山猫シロ
山猫シロ
このスピード感こそが、モダンな開発環境ってやつだね

これで、VS CodeとAntigravityという二つの強力なツールを、全く同じ体験で使い分けられるようになった。
開発効率は、こうした小さな「摩擦」を取り除くことで劇的に向上する。

ぜひ、この快適な環境を手に入れてほしい。

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