サクラエディタで使いこなすべき正規表現の3大パターン

備忘録

はじめに

サクラエディタは多機能なテキストエディタであり、中でも「正規表現を使った検索・置換」は業務の効率化に大いに役立つ。
手作業では時間がかかるデータ修正も、適切な正規表現を使えば短時間で処理可能だ。

しかし、正規表現はやや複雑で、使い方に戸惑うこともあるのではないだろうか?
そこで、本記事では「3つの重要な正規表現のパターン」を具体例とともに紹介する。
この基本を押さえれば、サクラエディタでの検索・置換作業がよりスムーズになるはずだ。


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正規表現の基本

正規表現とは、特定のパターンにマッチする文字列を記述する方法であり、サクラエディタでは主に「検索」と「置換」に利用する。
特に、以下の3つの概念を理解すると、より柔軟な操作が可能になる。

  • 位置を指定するパターン
  • 繰り返し回数を制御するパターン
  • 特定の文字を指定するパターン

1. 位置を指定する正規表現

行の先頭や末尾など、文字列のどの位置にマッチさせるかを指定できる。

よく使うメタ文字

メタ文字 説明
^ 行の先頭を表す ^Error は行頭が Error の行にマッチ
$ 行の末尾を表す 123$ は行末が 123 の行にマッチ

使用例:エラーログの表記を変更する

元のデータ

Error: File not found
Error: Permission denied
Error: Out of memory

検索・置換の設定

  • 検索パターン: ^Error
  • 置換パターン: Warning

結果

Warning: File not found
Warning: Permission denied
Warning: Out of memory

また、行末の数値だけを強調することも可能だ。

検索パターン

(\d+)$

置換パターン

<span style="color: red;">\1</span>

2. 繰り返し回数を制御する正規表現

繰り返し指定子を活用することで、文字の出現回数を制御できる。
これを利用すると、余計な空白の削除やデータフォーマットの統一が容易になる。

よく使うメタ文字

メタ文字 説明
* 0回以上の繰り返し a*a, aa
+ 1回以上の繰り返し a+aa, aaa
{x} ちょうどx回の繰り返し a{3}aaa
{x,y} x回以上y回以下の繰り返し a{2,4}aa, aaa, aaaa

使用例①:余計なスペースを削除

元のデータ

This is a test.

検索・置換の設定

  • 検索パターン: +
  • 置換パターン: (単一スペース)

結果

This is a test.

使用例②:電話番号のフォーマット統一

元のデータ

1234567

検索・置換の設定

  • 検索パターン: (\d{3})(\d{4})
  • 置換パターン: \1-\2

結果

123-4567

3. 特定の文字を指定する正規表現

特定の文字や任意の文字にマッチさせるためのパターンを活用すると、形式の異なるデータを統一することができる。

よく使うメタ文字

メタ文字 説明
. 改行以外の任意の1文字 a.cabc, a1c
[abc] a, b, cいずれか1文字 a[bc]dabd, acd
\d 数字 \d+123, 456

使用例:電話番号フォーマットの統一

元のデータ

(123) 456-7890
123.456.7890
123-456-7890

検索・置換の設定

  • 検索パターン: \(?(\d{3})\)?[-. ]?(\d{3})[-. ]?(\d{4})
  • 置換パターン: \1-\2-\3

結果

123-456-7890
123-456-7890
123-456-7890

応用編:最長一致と最短一致の使い分け

正規表現では「最長一致」と「最短一致」を適切に使い分ける必要がある。

パターン 説明
.* 最長一致(最大の文字列にマッチ)
.*? 最短一致(最小の文字列にマッチ)

使用例:HTMLタグの削除

元のデータ

<div>Hello</div>
This is a test

検索・置換の設定

  • 検索パターン: &lt;.*?&gt;
  • 置換パターン: (空文字)

結果

Hello
This is a test

サクラエディタの設定方法と注意点

  1. 正規表現モードを有効にする

– 検索/置換ダイアログで「正規表現」にチェックを入れる。

  1. エスケープ文字に注意

*. などの特殊文字を普通の文字として扱いたい場合、\ をつける。

  1. プレビューで結果を確認

– 大量のテキストを操作する前に「置換結果を確認」する。


まとめ

サクラエディタの正規表現を活用することで、検索・置換の作業を大幅に効率化できる。
特に「位置」「回数」「特定の文字」の3つのパターンを理解すれば、多くのケースに対応可能だ。

正規表現を適切に使いこなし、作業時間を削減しよう。

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