FCNとは?画像サイズの制限は本当にあるのかを徹底解説【G検定対策】

G検定対策

はじめに

ディープラーニングの分野では、画像処理に関する技術が頻繁に登場する。中でも「完全結合ネットワーク(Fully Convolutional Network:FCN)」は、セマンティック・セグメンテーションにおいて重要な役割を担っている。

G検定では、このFCNに関する知識を問う問題も出題されており、単なる定義の暗記では対応しきれない場面もある。

今回は、実際に出題されたFCN関連の問題を取り上げながら、どのような知識が問われるのか、なぜその選択肢が正解・不正解なのかを明確にしていく。


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実際の出題内容

まずは問題を確認してみよう。

完全結合ネットワーク(FCN)の説明として、最も不適切な選択肢を選べ。

選択肢

  1. すべての層を畳み込み層としてネットワークを構成する
  2. 入力画像のサイズに制限がある
  3. セマンティック・セグメンテーションに応用されている
  4. U-netはFCNの1つである

正解と解説

正解は「2. 入力画像のサイズに制限がある

なぜこれが不適切なのか?

FCNは、全結合層を使わず、畳み込み層だけで構成されるネットワーク構造だ。これにより、入力画像のサイズを固定する必要がなくなっている。すなわち、画像サイズに柔軟に対応できるというのがFCNの大きな特長だ。

通常のCNNでは、全結合層があることで出力層の次元が固定され、入力サイズにも制限が生じる。しかしFCNは、全結合層を持たず、出力も特徴マップとして保持されるため、可変サイズの画像にも対応できる。

他の選択肢はなぜ適切なのか?

選択肢 解説
1. すべての層を畳み込み層としてネットワークを構成する FCNはその名の通り、全層を畳み込み層で構成するため正しい。全結合層を取り除くことで、空間情報を保持しやすくなっている。
3. セマンティック・セグメンテーションに応用されている FCNはセマンティック・セグメンテーションに特化して開発されたモデル。各ピクセルごとにクラス分類を行う目的に最適である。
4. U-netはFCNの1つである U-netはFCNのアーキテクチャを応用したモデルであり、医療画像などでも使われている。エンコーダとデコーダを持つ構造が特徴的。

FCNが活用されるシーン

完全結合ネットワークは、セマンティック・セグメンテーションという、画像中の各ピクセルを分類するタスクに強い。自動運転や医療診断、衛星画像の解析など、ピクセルレベルの正確な識別が求められる分野で広く活用されている。

また、入力サイズに縛られない構造は、実装面でも柔軟性を高め、さまざまなサイズ・解像度の画像を扱う場面において有利だ。


まとめ

G検定では、用語の定義だけでなく、「なぜそうなのか?」という根拠に基づいた理解が求められる。

✅ FCN(完全結合ネットワーク)は、全層を畳み込み層で構成している
✅ 入力画像のサイズに制限がないことが特徴
✅ セマンティック・セグメンテーションの基本モデルであり、U-netなどの派生モデルも存在する

こうしたポイントを踏まえて学習することで、選択肢の正誤を確実に見極められるようになる。G検定対策としてだけでなく、現場での応用を見据えた知識としてもしっかり身につけておきたい。

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