はじめに
Ubuntu 上で Python 3.12.7 を使いたいが、システムに影響を与えたくない場合は pyenv を活用するのが最適だ。
本記事では、pyenv を使用して Python 3.12.7 を安全にインストールし、運用する手順を詳しく解説する。
システムの Python バージョンを保持したまま、プロジェクトごとに新しい Python バージョンを活用する方法を学ぼう。
実施した環境
以下は、本記事の手順を実施するために必要なツールや環境の一覧だ。
| ツール・ライブラリ | バージョン | 備考 |
|---|---|---|
| OS | Ubuntu 22.04 | Linux ベースのディストリビューションに対応 |
| Python | 3.12.7 | pyenv を利用してインストール |
| pyenv | 2.3.x | Python バージョン管理ツール |
| apt (Advanced Packaging Tool) | 2.4.x (Ubuntu標準) | パッケージ管理に使用 |
なぜ pyenv を使うべきか
仮想環境と同様に pyenv を利用する利点を以下に挙げる。
システムを保護
Ubuntu のシステムツール（例：apt）はデフォルトの Python に依存しているため、システム Python を変更すると重大な問題が発生するリスクがある。
pyenv を使えば、システム全体に影響を与えることなく、プロジェクトごとに必要な Python バージョンを独立して利用できる。
簡単なバージョン切り替え
pyenv を使えば、複数の Python バージョンを簡単にインストール・切り替えできる。
異なるプロジェクトで別々のバージョンを使う際にも、環境の整備がスムーズになる。
グローバルとローカルの設定
pyenv では、システム全体で使用する Python バージョン（グローバル設定）と、プロジェクトごとに指定するバージョン（ローカル設定）を柔軟に管理できる。
pyenv のインストールと設定方法
1. 必要な依存パッケージをインストール
まず、pyenv が動作するために必要なパッケージをインストールする。
sudo apt update
sudo apt install -y make build-essential libssl-dev zlib1g-dev libbz2-dev \
libreadline-dev libsqlite3-dev wget curl llvm libncurses5-dev libncursesw5-dev \
xz-utils tk-dev libffi-dev liblzma-dev python3-openssl git2. pyenv をインストール
以下のコマンドで pyenv をインストールする。
curl https://pyenv.run | bashインストール後、.bashrc または .zshrc に以下を追加する。
export PATH="$HOME/.pyenv/bin:$PATH"
eval "$(pyenv init --path)"
eval "$(pyenv virtualenv-init -)"設定を反映させるためにターミナルを再起動するか、次のコマンドを実行する。
source ~/.bashrc3. pyenv の動作確認
以下のコマンドを実行し、インストールされたバージョンを確認する。
pyenv --versionPython 3.12.7 のインストール手順
1. Python 3.12.7 をインストール
以下のコマンドで Python 3.12.7 をインストールする。
pyenv install 3.12.7インストール可能な Python バージョンのリストは次のコマンドで確認できる。
pyenv install --list2. インストールしたバージョンを設定
Python 3.12 をグローバルまたはローカルに設定する。
グローバル設定
すべてのディレクトリで Python 3.12.7 を使用する場合。
pyenv global 3.12.7ローカル設定
特定のプロジェクトディレクトリでのみ Python 3.12.7 を使用する場合。
pyenv local 3.12.7設定後、次のコマンドで適用されているバージョンを確認する。
pyenv version必要なパッケージのインストール
インストールした Python 環境でパッケージを管理するには、pip を使用する。requests パッケージをインストールする例を示す。
pip install requests現在の環境にインストールされているパッケージを確認するには次のコマンドを実行する。
pip listPython バージョンの切り替え
プロジェクトや用途に応じて Python バージョンを切り替える場合も簡単だ。
pyenv global 3.9.0また、特定のプロジェクトに別のバージョンを適用したい場合は、ディレクトリ内でローカル設定を変更する。
pyenv local 3.9.0不要なバージョンの削除
使用しなくなった Python バージョンは、以下のコマンドで削除可能だ。
pyenv uninstall 3.12.7まとめ
pyenv を使用すれば、Ubuntu 上で安全にPython 3.12.7を利用できる。
システムの Python を変更せずに新しいバージョンを導入できるため、トラブルを未然に防ぐことが可能だ。
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