はじめに
G検定では、AIの技術そのものだけでなく、関連する学術的な知識も出題範囲に含まれる。その中でも「AI関連の主要国際会議」に関する問題は頻出項目のひとつだ。
単なる略語の暗記だけでは通用しない。各学会の特徴を理解していなければ、思わぬ落とし穴にはまる。今回の記事では、実際の過去問をもとに、知っておくべきAI国際会議の要点と選択肢の見極め方を解説していく。
問題|次のうち、説明として最も不適切なものを選べ
AI関連の主要国際会議の説明として、最も不適切な選択肢を選べ。
選択肢
- NeurIPSは、ニューラルネットワーク技術を主にテーマとしている学会だが、近年は機械学習をテーマにした発表が増加している
- ICJIは、記号推論などの伝統的なテーマを含む人工知能技術全般をテーマとしている学会
- CVPRは、画像認識を主にテーマとしている学会
- ICMLは、音声認識を主にテーマとしている学会
正解は「4. ICMLは、音声認識を主にテーマとしている学会」
ICML(International Conference on Machine Learning)は、その名の通り機械学習を中心とした国際会議だ。
音声認識を主軸とする学会ではない。
このように、学会名と実際の研究分野の一致を問う問題は、G検定で頻繁に出題されるパターンのひとつだ。
各選択肢を詳しく検証する
では、他の選択肢についても順に見ていこう。
| 選択肢 | 内容 | 適否 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 1. NeurIPS | 機械学習や統計的学習理論などを扱う有名学会。以前はニューラルネットワーク色が強かった。 | 正しい | 近年は深層学習だけでなく、強化学習や理論研究など幅広いテーマが扱われている。 |
| 2. ICJI | そもそもこのような学会は存在しない。 | 誤り | 「ICJI」は架空。実在しない学会名を混ぜるのはG検定あるある。だが本問では、さらに明確な誤りを含む選択肢が他にある。 |
| 3. CVPR | コンピュータビジョンの分野で最も権威ある学会のひとつ。 | 正しい | 「画像認識」が主なテーマであり、内容と一致している。 |
| 4. ICML | 「音声認識」をテーマにしているという記述が誤り。 | 誤り(正解) | 音声認識を主とするならInterspeechやICASSPなどが正しい。ICMLは機械学習がテーマ。 |
特に選択肢2(ICJI)がひっかけに見えるかもしれない。しかし、選択肢4の内容そのものが明確に間違っているため、こちらが「最も不適切な選択肢」と判断される。
AI主要国際会議の覚え方|G検定対策のコツ
押さえておくべき代表的な学会と分野の関係
| 学会名 | 分野 | 補足情報 |
|---|---|---|
| NeurIPS | 機械学習・深層学習 | 自然科学から社会科学にわたる応用が広がっている |
| ICML | 機械学習 | 学習アルゴリズムや理論研究などが中心 |
| CVPR | 画像認識・コンピュータビジョン | 映像処理や物体検出なども含まれる |
| ACL | 自然言語処理(NLP) | ChatGPTなどの対話モデルも対象 |
| AAAI | 総合的な人工知能 | 幅広いテーマをカバー、論文数も多い |
| IJCAI | 記号処理や知識表現などの伝統的AI | AI分野の老舗学会 |
試験での対策ポイント
- 略称に引きずられないこと
→「Sound」や「Speech」が入っていないのに音声認識と書かれていたら疑う。 - 存在しない学会名に注意すること
→「ICJI」や「IAML」など、実在しないがそれっぽい略語が登場するケースが多い。 - テーマと一致する技術キーワードをセットで覚えること
→ NeurIPS ⇔ 深層学習、CVPR ⇔ 画像認識、ACL ⇔ NLPなど。
まとめ
G検定では、「AIの技術的知識」に加えて、「関連学会の知識」も問われる。
単に名前を覚えるのではなく、それぞれの学会がどの技術領域に重点を置いているのかを理解することがポイントだ。
✅ 学会名と技術領域をセットで覚える
✅ 存在しない学会名に惑わされない
✅ 選択肢の中で「最も不適切」なものを選ぶ視点を持つ
この問題は単なる暗記では突破できない。正確な理解をもとに、ひっかけ問題を見抜く力を身につけておこう。


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