はじめに
Pythonでデータ分析や機械学習を行う際、データの可視化は欠かせない。だが、Pythonには多くの可視化ライブラリが存在し、それぞれの違いを正しく理解しているだろうか?
G検定の問題を通して、可視化ライブラリ「seaborn」について解説していく。
問題と正解
問題:
以下の文章を読み、(●)に最もよく当てはまる選択肢を選べ。
(●)は、Pythonでデータを可視化する際に用いられるライブラリであり、使用する際は一般的に「sns」という名称で取り込む。
選択肢:
- seaborn
- pyplot
- Keras
- matplotlib
正解は「seaborn」
Pythonの可視化ライブラリの中で、sns
というエイリアスを使ってインポートされるのは seaborn だけである。
import seaborn as sns
では、他の選択肢と比較しながら「seaborn」の特徴を掘り下げていこう。
seabornとは?
seaborn は、データ可視化を簡単に行うためのPythonライブラリであり、matplotlibをベースにした拡張ライブラリ だ。
主な特徴:
- 統計データの可視化に特化
- デフォルトで美しいグラフ を描画できる
- Pandasのデータフレームと相性が良い
- matplotlibと組み合わせて使える
例えば、データの分布を確認するための ヒストグラム(histplot) は、seabornを使えば簡単に描画できる。
import seaborn as sns
import matplotlib.pyplot as plt
# サンプルデータ
tips = sns.load_dataset("tips")
# ヒストグラムを作成
sns.histplot(tips["total_bill"], bins=20, kde=True)
# グラフを表示
plt.show()
matplotlibと比べると、デフォルトのスタイルが洗練されており、見やすいビジュアライゼーションが得られる。
他の選択肢との違い
では、他の選択肢とseabornの違いを見ていこう。
ライブラリ | 概要 | seabornとの違い |
---|---|---|
seaborn | 統計的データ可視化に特化したライブラリ。sns のエイリアスで使われる。 |
– |
pyplot | matplotlibのサブモジュールで、基本的なグラフ作成を担当する。 | plt というエイリアスで使われる。 |
Keras | 深層学習のフレームワーク。可視化には関係しない。 | グラフ描画には使われない。 |
matplotlib | Pythonの代表的な可視化ライブラリ。細かいカスタマイズが可能だが、コード量が増えやすい。 | seabornはmatplotlibの拡張版として機能する。 |
seaborn vs. matplotlib(pyplot)
matplotlib(特に pyplot
)とseabornの最大の違いは、スタイルのデフォルト設定とコードの簡潔さ だ。
例えば、同じデータのヒストグラムを描画する場合、matplotlibでは以下のようなコードが必要になる。
import matplotlib.pyplot as plt
# サンプルデータ
data = [1, 2, 2, 3, 3, 3, 4, 4, 5]
# ヒストグラムを作成
plt.hist(data, bins=5, edgecolor="black")
# グラフを表示
plt.show()
一方、seabornなら次のようにシンプルに記述できる。
import seaborn as sns
import matplotlib.pyplot as plt
# ヒストグラムを作成
sns.histplot(data, bins=5, kde=True)
# グラフを表示
plt.show()
このように、seabornはデフォルトのスタイルが整っており、簡単なコードで視覚的に優れたグラフを描画できる。
まとめ
G検定の問題において、Pythonのデータ可視化ライブラリ「seaborn」が sns
のエイリアスで使われることを押さえておくべきだ。
- seabornはmatplotlibをベースにした統計的データ可視化ライブラリ
- 美しく見やすいグラフを簡単に作成できる
- matplotlibの
pyplot
とは違い、デフォルトのスタイルが洗練されている
この知識を理解しておけば、G検定対策だけでなく、実際のデータ分析業務でも役立つだろう。
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