はじめに
WordPressサイトの運営において、バックアップは絶対に欠かせない。
サイトがハッキングされたり、プラグインの更新に失敗したり、誤操作でデータを消してしまったりする可能性は常にある。
こうしたトラブルに備えるために、定期的なバックアップの取得と復元方法の確立が必要不可欠だ。
本記事では、WordPressのデータを安全に守るためのバックアップ戦略を紹介する。
プラグインを活用した自動バックアップや、手動でのバックアップ手順、バックアップデータの管理方法まで詳しく解説するので、万が一の事態に備えて確実な対策を取ろう。
1. WordPressのバックアップが必要な理由
「サイトが突然消えた…!」そんな最悪の事態を避けるために、バックアップはサイト運営の生命線となる。
バックアップが必要な主なシナリオ
シナリオ | 影響 |
---|---|
ハッキングやマルウェア感染 | サイト改ざんやデータ流出のリスク |
WordPressやプラグインのアップデート失敗 | 互換性の問題でサイトが動作しなくなる |
サーバー障害・データベース破損 | ホスティングの問題でデータが失われる可能性 |
誤操作によるデータ削除 | 記事・設定・メディアファイルを誤って削除 |
これらのリスクに備え、適切なバックアップ方法を確立しておくことが重要だ。
2. WordPressのバックアップ対象と頻度
バックアップの際には、サイトに必要なデータを全て保存することが重要だ。
バックアップ対象
バックアップ対象 | 内容 |
---|---|
データベース | 投稿記事、コメント、ユーザー情報、設定データ |
WordPressコアファイル | WordPress本体のファイル |
テーマ・プラグイン | カスタマイズしたテーマやプラグインのデータ |
アップロードファイル | 画像・動画・PDFなどのメディアファイル |
バックアップの頻度
サイトの種類 | 推奨バックアップ頻度 |
---|---|
ブログ・個人サイト | 週1回以上 |
ECサイト・会員制サイト | 毎日 |
企業サイト・ニュースサイト | 1日数回(リアルタイム推奨) |
3. WordPressのバックアップ方法
3-1. バックアッププラグインを活用する(初心者向け)
手間をかけずに簡単にバックアップを取得したい場合は、専用プラグインを利用するのが最も手軽な方法だ。
✅ おすすめのバックアッププラグイン
プラグイン名 | 特徴 |
---|---|
UpdraftPlus | 自動バックアップ・クラウド保存対応・復元機能あり |
BackWPup | FTP・Dropbox・Google Driveへのバックアップ可 |
All-in-One WP Migration | サイトの完全エクスポート・インポートが可能 |
UpdraftPlusの設定方法
1. プラグインをインストール & 有効化
2. 「設定」→「UpdraftPlus バックアップ」へ移動
3. 「今すぐバックアップ」をクリック
4. Google DriveやDropboxに保存するよう設定
5. スケジュール設定をして自動バックアップを有効化
プラグインを利用すれば、簡単に定期的なバックアップが可能になる。
3-2. サーバーのバックアップ機能を活用する(中級者向け)
多くのレンタルサーバーには、自動バックアップ機能が用意されている。サーバー提供のバックアップ機能を確認し、設定しておくと安心だ。
✅ 主要レンタルサーバーのバックアップ機能
サーバー名 | バックアップ機能 |
---|---|
エックスサーバー | 過去7日間の自動バックアップ |
ConoHa WING | 毎日の自動バックアップ(無料) |
ロリポップ! | バックアップオプション(有料) |
さくらのレンタルサーバー | 過去14日分のバックアップ |
サーバーのバックアップ機能を利用すれば、プラグインを使わなくてもバックアップを自動で取得できる。
3-3. 手動でバックアップを取得する(上級者向け)
より確実にバックアップを取得するには、手動でデータをエクスポートする方法もある。
✅ 手動バックアップの手順
1. データベースのエクスポート
– phpMyAdminにログイン → エクスポート
をクリック → SQL
形式で保存
- WordPressファイルのバックアップ
– FTPソフト(FileZillaなど)を使用し、wp-content
ディレクトリをダウンロード
- バックアップデータをクラウドに保存
– Google Drive / Dropbox / 外付けHDD などに保存
手動バックアップは手間がかかるが、確実性が高いため、定期的に実施するのも有効な手段だ。
4. バックアップデータの管理と復元
4-1. バックアップデータの保存場所
バックアップデータは、複数の場所に保存するのが理想的。
✅ おすすめの保存場所
– クラウドストレージ(Google Drive, Dropbox, OneDrive)
– 外部サーバー(別のレンタルサーバー、VPS)
– ローカルPCや外付けHDD
1か所だけでなく、最低2か所以上に分散して保存することで、万が一のデータ損失リスクを低減できる。
4-2. バックアップからの復元方法
バックアップデータがあっても、復元できなければ意味がない。事前に復元方法を確認し、トラブル時に迅速に対応できるようにしておこう。
✅ 復元手順(UpdraftPlus使用時)
1. 管理画面の「UpdraftPlus」から「バックアップの復元」を選択
2. 復元するデータを選択し、実行
3. サイトが正常に復元されたか確認
手動で復元する場合は、
– FTPでwp-content
をアップロード
– phpMyAdminでデータベースをインポート
などの手順が必要になる。
まとめ
WordPressのバックアップ戦略をしっかりと構築することで、万が一のトラブルに備え、安心してサイト運営を継続できる。
✅ 本記事のポイントまとめ
– バックアップの頻度はサイト規模に応じて適切に設定
– プラグインを活用して自動バックアップを設定
– サーバーのバックアップ機能も併用する
– バックアップデータはクラウド・ローカルに分散保存
– 復元手順を事前に確認し、緊急時に迅速に対応できるようにする
これらの施策を実践し、大切なWordPressサイトを安全に守ろう!
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