Linux Mint 22でノートPCの蓋を閉じてもスリープさせない方法

プログラミング

はじめに

ノートPCを外部ディスプレイと併用する場合、蓋を閉じてもシステムを稼働させ続ける必要がある。
しかし、Linux Mint 22のデフォルト設定では、蓋を閉じるとスリープやハイバネーションが発動し、作業が中断されてしまうことがある。

蓋を閉じた瞬間に画面が消える…」「外部モニターを使っているのにノートPCの電源が落ちる…
こんなイライラを解消するために、本記事では Linux Mint 22で蓋を閉じても動作を継続させるための必須設定 を徹底解説する。


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実施した環境

今回の設定を適用するために必要なツールや環境は以下の通り。

ツール・ライブラリ バージョン 備考
OS Linux Mint 22 Cinnamonデスクトップ環境で検証
GNOME Tweaks 最新版 GUI操作で設定変更が可能
systemd-logind 249以上 Linux Mintにプリインストール済

蓋を閉じてもスリープにしない方法

ノートPCの蓋を閉じた際の動作は systemd-logind によって管理されている。
この設定を変更することで、蓋閉じ時のスリープやハイバネーションを完全に無効化する。

1. /etc/systemd/logind.conf を編集する

まず、設定ファイルを開く。

sudo vi /etc/systemd/logind.conf

次に、以下の設定を変更または追記する。

[Login]
HandleLidSwitch=ignore
HandleLidSwitchExternalPower=ignore

この設定によって、ノートPCの蓋を閉じてもスリープやシャットダウンが発生しなくなる。

設定の適用

変更を反映するために、以下のコマンドで systemd-logind を再起動する。

sudo systemctl restart systemd-logind.service

2. /etc/systemd/logind.conf を修正しても無効化されない場合

設定が反映されない場合は、GNOME Tweaks(Cinnamonの場合は電源管理ツール) を使用する。

GNOME Tweaksのインストールと設定

GNOME Tweaksをインストールするには、以下のコマンドを実行する。

sudo apt install gnome-tweaks

インストール後、GNOME Tweaksを起動し、以下の設定を行う。

  • ラップトップの蓋を閉じるとサスペンドする」を無効化

Cinnamon環境では、「電源管理」アプレット を開き、蓋閉じ時の動作を「何もしない」に変更すれば同じ効果が得られる。


放置してもスリープにしない方法

Linux Mint 22では、一定時間操作がないと自動でスリープに移行する設定がデフォルトで有効になっている。
これを回避するには、GNOMEのdconf設定を変更する。

/usr/share/gdm/dconf/90-debian-settings を編集

以下のコマンドで設定ファイルを開く。

sudo vi /usr/share/gdm/dconf/90-debian-settings

以下の設定を追記する。

[org/gnome/settings-daemon/plugins/power]
sleep-inactive-ac-timeout=0
sleep-inactive-battery-timeout=0

この設定を保存すると、一定時間放置してもスリープに移行しなくなる。


画面ロックを無効化する方法

蓋を閉じた際のスリープは防げても、画面ロックが発動してしまうことがある。
これを防ぐには、以下の手順を実施する。

  1. 設定」 を開く。
  2. プライバシー」 > 「画面」 の設定画面に移動。
  3. 自動ロック」 を無効化する。

また、コマンドラインから設定を変更する場合は、以下を実行。

dconf write /org/gnome/desktop/screensaver/lock-enabled false

追加設定:消費電力の最適化

蓋閉じ時のスリープを無効化すると、バッテリー駆動時の消費電力が増加する可能性がある。
そのため、TLPとpowertopを活用して電力最適化を行うとよい。

TLPとpowertopの導入

sudo apt install powertop tlp
sudo powertop --calibrate
sudo systemctl enable tlp

さらに、USBデバイスの電力供給を制限すると、バッテリーの持ちが良くなる。

echo '1-1' | sudo tee /sys/bus/usb/drivers/usb/unbind

まとめ

Linux Mint 22におけるノートPCの蓋を閉じた際のスリープ無効化設定は、外部ディスプレイを活用するユーザーにとって必須のカスタマイズである。

今回紹介した設定を適用することで、
✅ 蓋を閉じても外部モニターで作業を継続可能
✅ 不要なスリープを排除し、作業効率アップ
✅ 消費電力を最適化し、バッテリー寿命を延ばす

これらのメリットを得ることができる。

もしも 設定後に蓋閉じ時の動作が変わらない場合は、systemctl restart systemd-logind.service の実行を忘れていないか確認しよう。

これで、Linux Mint 22のパワーマネジメントを完全にコントロールし、より快適なワークフローを手に入れよう!

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