はじめに
2026年1月27日の歴史的なアップデート。Google AI Proユーザーに突如として贈られた「Google Cloudクレジット」という名のギフトは、単なるおまけではない。
特に、次世代画像生成モデル「Nano Banana Pro」を、あの煩わしいウォーターマーク(透かしロゴ)なしで利用できる道が開けたことは、クリエイターにとって「革命」と言っても過言ではないだろう。
この記事では、Google AI Proの特典クレジットを使い、Vertex AI経由でクリーンな画像を手に入れるための具体的な戦略を解説する。
なぜGoogle AI Proのクレジットが「神」特典なのか
これまで、一般向けのGeminiアプリで生成した画像には、左下に必ずといっていいほど「AI生成」を示すロゴが刻印されていた。
これは透明性を確保するためのGoogleの方針だが、資料作成やデザインの素材として使うには、正直なところ「余計なもの」だった。
今回のアップデートで統合されたGoogle Cloudクレジットを使えば、開発者用プラットフォームであるVertex AI Studioが利用可能になる。
ここでの生成は、一般向けアプリの制約を超えた「プロ仕様」の出力を可能にする。
1. 視覚的なウォーターマークを回避する仕組み
一般向けのGeminiやWorkspace上の機能は、ライトユーザーが「AI画像であること」を即座に判別できるよう、可視ウォーターマーク(Visible Watermark)が強制的に合成される。
対して、Vertex AIはビジネス・商用利用を前提としている。そのため、画像そのものの見た目を損なうロゴは入らない。
- 視覚的な透かし: 原則としてなし。
- 不可視の透かし(SynthID): データのピクセルにデジタル署名は埋め込まれるが、肉眼では100%見えない。
この「見えない署名」こそが、クリーンな見た目とコンプライアンスを両立させるGoogleの解だ。
Nano Banana Proをフル活用する手順
2025年末に登場した「Nano Banana Pro」は、日本語の看板や文字を正確に描画し、4K解像度にも対応するモンスターモデルだ。
これをクレジットで動かす手順は驚くほどシンプルだ。
ステップ1:Vertex AI Studioへのアクセス
Google Cloudコンソールにログインし、検索窓から「Vertex AI Studio」を選択する。
Google AI Proの特典が有効なら、この時点であなたのプロジェクトには月間25,000程度のクレジットがチャージされているはずだ。
ステップ2:モデルに「Nano Banana Pro」を選択
「画像(Vision)」メニューからモデル一覧を開き、Nano Banana Pro(または最新のImagenシリーズ)を選択する。
ステップ3:パラメータ設定と生成
ここで重要なのが、API経由ならではの詳細設定だ。
- アスペクト比: 16:9や9:16など、用途に合わせて自由自在。
- 出力解像度: 4Kを指定すれば、印刷にも耐えうる高精細な画像が得られる。
- 透かし設定: デフォルトで可視ロゴは入らない設定になっているが、念のためプレビューで確認しよう。
WorkspaceとVertex AI、どちらで生成すべきか?
「Google WorkspaceのサイドパネルでもNano Banana Proは使えるじゃないか」と思うかもしれない。しかし、そこには落とし穴がある。
| 比較項目 | Google Workspace (サイドパネル) | Vertex AI Studio (Cloudクレジット利用) |
|---|---|---|
| 可視ロゴ | 入る場合が多い(管理設定による) | なし |
| 解像度 | 標準解像度に限定 | 4Kまで対応可能 |
| コスト | 月額料金に含まれる | 付帯クレジットを消費 |
| 自由度 | 低い(プロンプトのみ) | 極めて高い(ネガティブプロンプト等) |
結論、「素材として完成された1枚」が欲しいなら、迷わずVertex AIでクレジットを消費すべきだ。
現場で即戦力!Nano Banana Pro専用プロンプト・サンプル
Vertex AIで生成する最大のメリットは、指示の細かさをダイレクトに画像へ反映できる点にある。特にNano Banana Proは日本語の理解度が極めて高いため、あえて日本語で詳細なシチュエーションを記述するのがコツだ。
ここでは、ビジネスシーンとクリエイティブシーンでそのまま使えるプロンプト例を紹介する。
ケース1:正確な「文字」を含めたビジネスイメージ
「画像内の看板や文字が化けない」というNano Banana Proの強みを活かしたプロンプトだ。
- プロンプト例:
> 「東京の夜景をバックにしたサイバーパンクなオフィスビル。ビルの巨大なネオン看板に、明瞭な日本語で『次世代の輝き』という文字が光っている。4K解像度、フォトリアルな質感、シネマティックなライティング。」
Tip
これまでのモデルでは「次世代の輝き」が記号のように崩れることが多かったが、このモデルなら看板広告の素材としてそのまま使えるレベルで出力される。
ケース2:ウォーターマークなしを活かしたWeb素材
背景素材として使う場合、余計なロゴがないことはデザイン工程を劇的に短縮する。
- プロンプト例:
> 「ミニマリストな木製のデスク。上にMacBookと1杯の湯気が立つコーヒー、一輪挿しのカスミソウが置かれている。窓から柔らかな午後の光が差し込み、全体的にベージュとホワイトのトーンで統一。高品質なストックフォトスタイル。」
Tip
「ストックフォトスタイル」と指定することで、余計な装飾を排した、Webサイトのヘッダーに最適な構図が得られる。
Note
Vertex AI Studioのインターフェースでは、「含めたくない要素(Negative Prompt)」も指定可能だ。
「ウォーターマーク」や「ロゴ」とあえて入力せずとも、デフォルトで入らない仕様だが、念押しで「text, blurry, low quality」と入れておけば、よりプロフェッショナルな仕上がりを担保できる。
まとめ
Google AI Proのクレジットは、画像生成だけでなくGemini 3 ProのAPI利用や、コード生成支援(Jules)などにも転用できる。
月々付与される25,000クレジットを使い切るのは至難の業だが、だからこそ「ウォーターマークなしの4K画像」を贅沢に試作するチャンスだ。
ロゴを消すために後処理で加工する時間は、もう必要ない。

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