はじめに
Google Colabで高性能なA100 GPUを使い、最新のAI画像生成を楽しんでいる人も多いだろう。
ところが最近、「FramePack-eichi」を導入した途端に生成が止まり、不可解なエラーに直面した、そんな声を複数耳にした。
これは偶然か?
それとも、何か決定的に見落とされているステップがあるのか。
この記事では、筆者自身の予見と、知人からの実際のトラブル体験をもとに、FramePack-eichi導入時のよくある落とし穴と対処法について解説する。
FramePack-eichiの導入で直面するエラーとは?
まず、症状をはっきりさせておこう。
FramePack自体は正常に動作し、Gradioデモから画像生成までスムーズに進行する。
しかし、FramePack-eichi版になると、ボタンを押した直後にこのようなエラーが発生するのだ。
ImportError: cannot import name 'SAFE_RESOLUTIONS' from 'diffusers_helper.bucket_tools'
このメッセージ、見ただけで心が折れそうになる。
“SAFE_RESOLUTIONS”って何?そもそもbucket_toolsってどこにあるんだ……?
原因は「上書きミス」と「混在」にあり?
FramePack-eichiは、FramePack本体に追加ファイルを上書きすることで実行環境を構築する形式を取っている。
そのため、以下のような誤操作をするとエラーの温床になる。
- FramePackのGradio起動用コードを実行してからeichiをインストールしてしまう
- diffusers_helper ディレクトリ内に旧ファイルが残っている
bucket_tools.py
の内容が新旧混在してしまっている
知人のケースでも、「一度Gradioを起動 → eichi導入」の順でやっていたため、同じImportErrorが出続けた。
つまり、FramePack-eichiは単体で完結させる必要があるのだ。
解決手順:eichiだけで動かすルート
以下が、知人が実際に成功した手順である。
Colabで以下の操作を忠実に実行しよう。ポイントは「eichiの導入前に他の処理をしないこと」。
# Gitが未インストールの場合はインストール
!apt-get update && apt-get install -y git
# FramePackをクローン
!git clone https://github.com/lllyasviel/FramePack.git
%cd FramePack
# CUDA対応PyTorchをインストール
!pip install torch torchvision torchaudio --index-url https://download.pytorch.org/whl/cu126
# NumPyとRequestsのバージョンをColab用に調整
!pip install requests==2.32.3 numpy==2.0.0
# 依存関係をインストール
!pip install -r requirements.txt
# (任意)高速化ライブラリの導入
!pip install sageattention==1.0.6
# Gradio起動のコードはスキップ!
# FramePack-eichiの導入
!git clone https://github.com/git-ai-code/FramePack-eichi.git tmp
!rsync -av --exclude='diffusers_helper' tmp/webui/ ./
!cp tmp/webui/diffusers_helper/bucket_tools.py diffusers_helper/
!cp tmp/webui/diffusers_helper/memory.py diffusers_helper/
!rm -rf tmp
# 最後にeichiを起動
!python endframe_ichi.py --share
注意点として、bucket_tools.py
は新しいバージョンで完全に差し替える必要がある。古い内容が残っているとエラーになる。
まとめ
FramePack-eichiのエラーは、見た目以上に導入手順の順序ミスが原因で起こることが多い。
ポイントを整理するとこうだ。
- Gradioデモは実行しない(本体とeichiは別ルートと考える)
- diffusers_helper内のファイルはeichiで上書き必須
- 古いファイルとの混在はエラーの温床
自分自身、「もうダメかも」と感じたが、手順を一から見直しただけで嘘のように生成が始まった。
同じ状況で悩んでいる人がいたら、この記事がその突破口になればうれしい。
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