Word2Vecとは?G検定に頻出の「分散表現」をやさしく解説【G検定対策】

G検定対策

はじめに

AI技術の発展とともに、自然言語処理(NLP)分野で用いられる基礎概念の理解は、G検定合格の鍵となる。中でも「分散表現(Distributed Representation)」は、頻出トピックのひとつだ。

今回は、G検定の過去問を取り上げながら、分散表現の代表的なモデルについて理解を深めていこう。


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分散表現とは何か?

分散表現とは、単語や文といった言語情報を、数値のベクトルで表す手法のこと。これにより、コンピュータが言葉の意味や関係性を処理できるようになる。

例えば、「」と「」は意味的に近い言葉だが、分散表現ではこのような類似性を数値的に扱える。

代表的な手法として、Word2VecGloVeFastTextなどがある。これらは単語を多次元のベクトル空間にマッピングし、単語間の関係をベクトルの距離や方向として表現する。


問題その1

実際のG検定で出題された問題を見てみよう。

ディープラーニングを用いた分散表現の代表的なモデルとして(●)がある。(●)では、文章中の単語を記号と捉え、文章を記号の集まりとすることで、記号をベクトルとして表現する。

選択肢

  1. Seq2Seq
  2. Text-to-Speech
  3. Word2Vec
  4. pix2pix

正解は「3. Word2Vec


なぜ「Word2Vec」が正解なのか?

Word2Vecは、文章中の単語を記号として扱い、その出現パターンに基づいてベクトル表現を学習するモデル。これにより、意味的に近い単語は、数値的にも近いベクトルとして表現されるようになる。

学習には「CBOW(Continuous Bag of Words)」と「Skip-Gram」という2つの手法があり、前後の文脈を利用して単語のベクトルを生成する。

では、他の選択肢はなぜ不正解なのか?それぞれの特徴と分散表現との違いを確認しよう。

選択肢 説明 分散表現との関係
Seq2Seq 入力系列を別の系列に変換するモデル。主に機械翻訳やチャットボットに使われる。 分散表現を使う場合もあるが、目的は系列変換であり本質的に異なる。
Text-to-Speech テキストを音声に変換する技術。音声合成の一分野。 単語ベクトルとは関係が薄い。音声波形の生成が主な目的。
pix2pix 画像から画像への変換を行うGAN(敵対的生成ネットワーク)の一種。 画像処理技術であり、自然言語とは無関係。

Word2Vecの活用例

Word2Vecは、単にG検定の試験対策に留まらず、実務においても広く使われている。以下、具体的な活用事例を紹介する。

1. 類義語検索

Word2Vecを用いると、「王様」−「」+「」=「女王」といった演算が可能となる。
これにより、文章の意味処理や検索の高度化が実現できる。

2. クラスタリングによる分類

単語のベクトルを可視化してクラスタリングすることで、意味的に近い単語群をまとめることが可能となる。
例えば、スポーツ用語・医療用語・IT用語などを自動的に分類できる。

3. ニュース記事の類似性分析

ニュース記事に含まれる単語をWord2Vecでベクトル化し、記事同士の距離を測ることで、似ている記事を自動抽出することができる。


実装:Word2VecをPythonで試す

Pythonでは、Gensimライブラリを使うことで簡単にWord2Vecを実装できる。

サンプルコード

from gensim.models import Word2Vec

sentences = [
    ["AI", "は", "人間", "の", "言語", "を", "理解", "する"],
    ["ディープラーニング", "は", "強力", "な", "技術"]
]

model = Word2Vec(sentences, vector_size=100, window=5, min_count=1, sg=0)

vector = model.wv["AI"]
print(vector)

このように、任意の単語をベクトルとして取得できる。
vector_sizewindowなどのハイパーパラメータを調整することで、より精度の高いモデルが作成できる。


まとめ

G検定では、単語の意味を数値で扱う「分散表現」の知識が頻出する。中でも、Word2Vecは押さえておくべき基本中の基本だ。

✅ Word2Vecは、単語をベクトル化することで、意味的な関係性を捉える技術
✅ 自然言語処理のさまざまな場面で応用されており、試験対策だけでなく実務でも有効
✅ 類似語検索、文章分類、類似記事抽出など、現場での活用方法も多い

G検定に向けた学習だけでなく、NLPの理解を深めるためにも、Word2Vecを実際に使ってみることをおすすめする。

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