はじめに
2025年2月26日、キズナアイが再び帰ってきた。
「王の帰還」と言うにふさわしい瞬間だ。バーチャルYouTuberの先駆者であり、数多くのフォロワーを生み出した存在が、新たな形で動き出したのだ。
だが、そもそもキズナアイとは何者だったのか?
その足跡を振り返りながら、バーチャルYouTuberの先駆者的存在であったキズナアイの歴史を紐解いていこう。
誕生とバーチャルYouTuberの夜明け(2016-2017)
時は2016年11月29日。
YouTubeチャンネル「A.I.Channel」にて、キズナアイが初めての動画を公開した。
「バーチャルYouTuber」という概念自体がまだ存在しない時代に、彼女は世界初のバーチャルYouTuberとして登場。
バーチャルの体を持つ存在がYouTubeで活動するという、新しいエンターテイメントの形がここに生まれた。
翌2017年3月にはゲーム実況専用の「A.I.Games」を開設。
ただの雑談だけでなく、ゲーム実況や企画動画といった幅広いコンテンツを展開し、そのユニークなキャラクター性と明るいトークで、多くのファンを獲得していった。
爆発的な成長とVTuber文化の確立(2017-2018)
2017年12月、「A.I.Channel」のチャンネル登録者数は100万人を突破。
当時、個人のYouTuberでも100万人に到達するのは至難の業だった。それをバーチャルな存在が成し遂げたのだ。
この成功を受け、多くのVTuberが誕生。
輝夜月、ミライアカリ、電脳少女シロといった後続のVTuberたちが次々と登場し、VTuber文化は一気に広まっていった。
さらに2018年12月には、初の単独ライブ「Kizuna AI 1st Live “hello, world”」を東京と大阪で開催。
バーチャルタレントがリアルライブを開催するという前例のない試みは、業界に衝撃を与えた。
ここで、VTuberはただのYouTuberではなく、一つのエンタメジャンルとして確立されたと言えるだろう。
試練と無期限活動休止(2019-2022)
しかし、成長が続く中で、一つの問題が浮上する。
それが「分裂騒動」だ。
2019年、キズナアイの声が複数のバージョンに分裂するという事件が発生。
これによりファンの間で混乱が広がり、運営への不信感も高まった。
それでも活動は続き、企業案件や海外展開など、着実に実績を積み上げていった。
しかし2022年2月26日、「Kizuna AI The Last Live “hello, world 2022”」を最後に、無期限活動休止に入ると発表。
バーチャルYouTuberの象徴だった彼女の休止は、ファンにとって大きな衝撃だった。
そして2025年、キズナアイ復活!
それから3年の月日が流れた2025年2月26日。
キズナアイは音楽アーティスト「KizunaAI」として復活。
新曲『かもね』をリリースし、再び表舞台へと帰ってきた。
「バーチャルYouTuberの未来は、まだまだこれからだよ!」
そんな声が聞こえてきそうな復活劇だ。
バーチャルタレント業界は、今や日本国内だけでなく、世界規模で発展を遂げている。
その原点ともいえるキズナアイが、再びシーンに登場した意味は大きい。
まとめ:キズナアイが開いた新時代
キズナアイは、単なるYouTuberではなく、バーチャルエンターテイメントのパイオニアだった。
その影響力は計り知れず、現在のVTuber文化を築く礎を作った存在と言えるだろう。
彼女の復活は、VTuberの未来をさらに加速させるのか?
それとも、新たなバーチャルアイドルの時代が幕を開けるのか?
いずれにせよ、この物語はまだ終わらない。
これからの「KizunaAI」の展開に、期待せずにはいられない。
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