協調フィルタリングとは?推薦システムの仕組みとG検定の出題傾向を解説【G検定対策】

G検定対策

はじめに

AI技術の進展により、ECサイトや動画配信サービスなど、多くの場面で「レコメンド(推薦)」の仕組みが使われるようになってきた。
G検定では、こうした推薦システムに関連する用語や手法も頻出のテーマの一つとなっている。

今回は、G検定で実際に出題された問題を例に、「協調フィルタリング」という概念について解説していく。
問題文の読み解き方とともに、なぜ正解がその選択肢なのか、他の選択肢が誤りである理由も明確にしていこう。


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協調フィルタリングとは?

協調フィルタリング(Collaborative Filtering)とは、ユーザーの過去の行動や評価履歴をもとに、他のユーザーとの類似性を見つけて推薦を行う手法だ。
ECサイトなどで「この商品を買った人はこんな商品も買っています」と表示される仕組みの多くがこれに該当する。

ポイントは、「ユーザー同士の嗜好の類似性」に注目すること。
商品の特徴そのものではなく、ユーザーの行動履歴からパターンを抽出し、似た行動を取った人が好んだアイテムを提示するというアプローチだ。


問題その1

実際のG検定で出題された問題を見てみよう。

以下の文章を読み、(●)に最もよく当てはまる選択肢を選べ。

ECサイトなどでは、顧客が好みそうな商品を推薦するために、従来の機械学習やディープラーニングを組み合わせた活用が進んでおり、顧客の行動履歴などの情報を元に類似性などを関連付ける「(●)フィルタリング」が活用されている。

選択肢

  1. 傾向
  2. 内容
  3. 協調
  4. 類似

正解は「3. 協調


なぜ「協調フィルタリング」が正解なのか?

問題文には「顧客の行動履歴」「類似性」というキーワードが含まれている。
これは、商品やサービスの特徴そのものではなく、「ユーザーの行動パターン」に着目して推薦を行うことを意味する。

協調フィルタリングは、まさにこの「ユーザー間の嗜好の類似性」をもとに商品を推薦する手法だ。
そのため、(●)に最も適した言葉は「協調」となる。


他の選択肢はなぜ違うのか?

選択肢 説明 誤りの理由
傾向 一般的なパターンや方向性を示す用語 文脈として曖昧すぎ、特定の推薦手法の名前には該当しない
内容 コンテンツの特徴や情報そのものを指す これは「内容ベースフィルタリング」に関係するが、問題文は「行動履歴」に焦点がある
類似 類似性を指す抽象的な単語 文意には沿っているが、フィルタリング手法の名称としては不十分

特に「内容」との違いは重要だ。内容ベースフィルタリングは、商品の属性情報(ジャンル、成分、出演者など)をもとに類似する商品を推薦する。
一方、協調フィルタリングは、「ユーザーの行動」からパターンを導く手法で、根本的なアプローチが異なる。


協調フィルタリングの具体的な活用例

1. ECサイトの商品推薦

ユーザーAがあるTシャツとスニーカーを購入し、ユーザーBが同じTシャツを買っていた場合、システムは「Bもスニーカーに興味を持つかもしれない」と判断し、推薦を行う。

2. 動画配信サービスの視聴履歴活用

NetflixやYouTubeでは、ユーザーが再生した動画の履歴をもとに、他の視聴者の傾向と照らし合わせて動画を推薦している。
「似た動画を見た人はこれも見ている」という論理だ。

3. 音楽アプリのプレイリスト生成

Spotifyでは、プレイリストや再生履歴を解析し、好みに合いそうな楽曲を推薦する。
協調フィルタリングの技術がこの推薦システムを支えている。


協調フィルタリングの弱点と対策

完璧な手法ではない。たとえば、「新規ユーザーには推薦ができない」という問題(コールドスタート問題)がある。
また、評価データが極端に偏っている場合、推薦結果の精度が低下するリスクもある。

こうした課題に対処するため、最近では「ハイブリッド型」の推薦システムが使われている。
これは、協調フィルタリングと内容ベースフィルタリングの両方を組み合わせた手法だ。


まとめ

G検定では、推薦システムに関する基本的な知識が問われる問題も出題される。
今回取り上げた問題では、「協調フィルタリング」という言葉の意味と、他の選択肢との違いを理解しておくことが重要だった。

✅ 協調フィルタリングとは? → ユーザーの行動履歴をもとに、他ユーザーとの類似性を活用して推薦を行う手法
✅ 内容ベースとの違い → 協調は「ユーザー」に注目、内容ベースは「商品」に注目
✅ 実務活用 → ECサイト、動画配信、音楽サービスなどで広く利用されている

G検定に合格するためには、単に正解を覚えるだけでなく、「なぜその選択肢が正しいのか」という理解が欠かせない。
今回のように実際のユースケースに照らして考えることで、知識の定着も深まっていくはずだ。

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