もうプロンプト設計に悩まない!AIに「プロンプトを作らせる」だけで結果が変わる理由

備忘録

はじめに

AIを使いこなす上で、多くの人が最初につまずくのが「プロンプト設計」だ。
やりたいことは明確なのに、うまく伝えられない。結果、出てくる回答が微妙——そんな経験をした人は多いはずだ。

そこで注目したいのが、「AIにプロンプトを作らせる」という発想だ。
これは一見まどろっこしく感じるが、実は最も効率的なアプローチのひとつである。


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なぜ「プロンプトを作らせる」のか

AIとのやり取りで最も時間がかかるのは、初期設定フェーズだ。
たとえば次のような状況を考えてみよう。

AIにプロットのアイデア出しを頼みたい
→ でも、どう指示すればいいか分からない。
→ 試しに聞いてみるが、想定と違う結果が出る。
→ 再指示を出す。
→ またズレる。

この往復で時間が溶けていく。
AIは与えられた指示に忠実すぎるため、ユーザーが「何をどこまで説明すべきか」を考えないといけない。
その負担を減らすのが、「AIにプロンプト設計を任せる」やり方だ。


実際の使い方

やり方は単純だ。
まずAIにこう指示する。

○○をしたいんだけど、それをAIに頼む用のプロンプトを作って。できるだけユーザーが入力しなくていい形で

この1文で、AIは“自分自身に最適な依頼文”を生成する。
つまり、AIが自分の扱い方を教えてくれるというわけだ。

生成されたプロンプトを新しいチャットに貼り付けることで、
最初から高精度な出力が得られる確率が大幅に上がる
特に創作系・構成系のタスク(プロット・記事構成・スクリプトなど)で効果が高い。


メリット:AIとの「初期対話コスト」を削減できる

この手法の最大のメリットは、思考の初期摩擦を減らせる点だ。

AIを使う際に発生する「どう頼めばいいか分からない」という時間的・認知的コストを、
丸ごとAIに肩代わりさせることができる。

また、AIが自分の強みを踏まえてプロンプトを構成するため、
ツール特性に最適化された依頼文」が得られるのも強い。

例えばChatGPTであれば「体系的な構成」や「文体指定」を自動で整えてくれるし、
Gemini 2.5なら「画像や日本語テキストを含む解析前提のプロンプト」を提示してくれる。
つまり、AIごとの得意分野を自動的に引き出す設計書が得られるのだ。


実例:プロット作成を依頼する場合

以下は実際に有効な流れの一例だ。

①:最初にAIへこう言う。

漫画のプロットを作りたいんだけど、それをAIに頼む用のプロンプトを作って。ユーザー側の入力を最小限にしてほしい

②:AIが作ってくれるプロンプト例

あなたは物語構成の専門家です。  
以下の要素をもとに、プロットのアイデアを10個提示してください。  
- 作品ジャンル:学園ファンタジー  
- テーマ:友情と裏切り  
- 登場人物数:3〜5人程度  
各アイデアは1〜2文で概要を述べてください。

③:そのプロンプトを新しいチャットにコピペして実行。

→ 最初から高精度なアイデアリストが得られる。


応用:プロンプト生成の二段構え

より高度な使い方として、「二段階生成」も有効だ。

  1. プロンプト作成AI(第1段):最適な依頼文を構築するAI。
  2. 実行AI(第2段):実際にその依頼を処理するAI。

特に長期プロジェクトやチーム運用では、
第1段で仕様を固め、第2段で実行する」流れを仕組み化することで、
作業の再現性と品質を高められる。

これは一種のAIオートメーション設計と言っていい。


注意点

ただし、万能ではない。
AIが作ったプロンプトをそのまま信じ切ると、方向性がずれることもある。
特に創作領域では、「作品の温度感」や「人間的な感情の揺れ」はAIが拾いきれないことが多い。
したがって、AIの提示したプロンプトをベースにしつつ、自分の感覚で微調整するのが理想的だ。


まとめ

AIにプロンプトを作らせるというのは、単なる手抜きではない。
むしろ、AIをパートナーとして活かすための合理的な戦略だ。
何を頼めばいいか分からない」という段階から一歩抜け出すための、最初のブースターになる。

AIは命令よりも設計された会話で力を発揮する。
まず「プロンプトを作らせる」——その一手が、AI活用の質を大きく変える。

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