はじめに
AI技術の急速な発展とともに、機械学習や深層学習の知識が求められる場面が増えてきた。
G検定(ジェネラリスト検定)では、実務的な知識に加えて、Pythonやライブラリの理解も問われる傾向がある。
本記事では、G検定の過去問に登場した「Pythonの可視化ライブラリ」に焦点をあて、出題内容を通じてその基礎を整理していく。
具体的には、「seaborn」「matplotlib」「pyplot」「Keras」といったキーワードについて確認していこう。
Pythonの可視化ライブラリとは?
Pythonでのデータ分析において、視覚化(可視化)は不可欠な要素となっている。
どんなに複雑な統計データも、グラフに落とし込めば一目で傾向が読み取れるようになるからだ。
Pythonには複数の可視化ライブラリが存在するが、代表的なものが以下の4つだ。
| ライブラリ名 | 概要 | よく使う別名 |
|---|---|---|
| matplotlib | 最も基本的な可視化ライブラリ。直線・棒・円など幅広く対応 | plt |
| pyplot | matplotlib内のサブモジュールで、実際のグラフ描画を担う | plt |
| seaborn | matplotlibをベースにした高機能可視化ライブラリ。デザイン性が高い | sns |
| Keras | ディープラーニング用のライブラリで、可視化専用ではない | ー |
この中で、可視化専用のライブラリは「matplotlib」「pyplot」「seaborn」だ。
Kerasはニューラルネットワークの構築を簡略化するためのライブラリであり、可視化には直接関係しない点に注意したい。
問題その1
G検定の実際の過去問を見てみよう。
(●)は、Pythonでデータを可視化する際に用いられるライブラリであり、使用する際は一般的に「sns」という名称で取り込む。
選択肢
- Keras
- matplotlib
- pyplot
- seaborn
正解は「4. seaborn」
なぜ「seaborn」が正解なのか?
問題文では、「snsという名称で使われる可視化ライブラリ」と述べられている。
この記述が示すのは、明らかに「seaborn」だ。実際のPythonコードでは、以下のようにインポートされる。
import seaborn as sns
seabornはmatplotlibをベースに作られたライブラリで、デフォルトで見栄えの良いグラフが描画できる。
棒グラフ、ヒートマップ、散布図などの描画がシンプルなコードで可能になるため、データサイエンスの現場で非常に重宝されている。
他の選択肢が不正解である理由
他の選択肢についても、なぜ誤りなのかを理解しておくことが重要だ。
| 選択肢 | 説明 | 誤りの理由 |
|---|---|---|
| Keras | ニューラルネットワークを構築するライブラリ。TensorFlowの高水準APIとしても使われる | 可視化ライブラリではない |
| matplotlib | 可視化の基盤となるライブラリ。pyplotを通じて操作される |
インポート名は通常pltであり、snsではない |
| pyplot | matplotlib.pyplotの略称。pltで使われる |
seabornの別名ではない |
このように、インポート時の名称や用途に着目すれば、正答が自然と導けるようになる。
可視化ライブラリの使い方例
実際のコード例を見ると理解が深まる。以下は、seabornを使って散布図を描く例だ。
import seaborn as sns
import matplotlib.pyplot as plt
# サンプルデータ
tips = sns.load_dataset("tips")
# 散布図を描画
sns.scatterplot(x="total_bill", y="tip", data=tips)
plt.title("Total Bill vs Tip")
plt.show()
実行すると、食事代とチップの関係性が視覚的に把握できるグラフが描画される。
G検定に向けて覚えておきたいポイント
seabornは、視覚的に優れたグラフが描けるライブラリ- インポート名は
import seaborn as sns matplotlib.pyplotはpltとして使われるKerasは可視化用ではなく、ディープラーニング構築用ライブラリ
まとめ
G検定では、Pythonライブラリの用途やインポート形式まで問われる問題が多い。
特に可視化に関するライブラリの理解は、試験対策だけでなく実務でも役立つ。
✅ seaborn → snsとして使い、見栄えの良いグラフ描画に特化
✅ matplotlib → 可視化の土台となるライブラリ
✅ pyplot → matplotlib内の描画用モジュール(pltとして使用)
✅ Keras → 可視化とは無関係。ディープラーニング構築向け
このような基礎知識を押さえておけば、G検定のスコアアップはもちろん、日々の業務でもPython活用が一段とスムーズになるはずだ。


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