はじめに
とある休日の昼、暇だった私はコーヒー片手に映画鑑賞でもしようと、Amazonプライムで気になっていた映画を流し始めたその時、違和感が走った。
「…あれ?広告?」
そう、2025年4月8日からAmazonプライムビデオに広告表示が導入されたのだ。プライム会員である自分にとって、これはちょっとした衝撃だった。
広告なしで楽しめていた“当たり前”が、静かに、でも確かに揺らぎ始めている。さて、広告表示の詳細やそれを回避する方法、そして390円という金額は果たして妥当なのだろうか。自身の体験を交えながら、改めて考察してみたい。
プライムビデオに広告が入るようになった、その現実
実際に広告が表示されたのは、深夜に海外ドラマを観ようとしたときだった。再生ボタンを押した瞬間に、画面いっぱいにエナジードリンクのCMが再生された。時間にして30秒。
スキップはできない。巻き戻しも効かない。
最初は「まあ一回くらいなら」と思った。しかし数話続けて観ているうちに、その“最初”は“繰り返し”に変わっていた。
そして長編映画では途中にも挟まれる。感動の余韻をぶち壊すようなタイミングで、唐突に広告が割り込んでくるのだ。
Amazonいわく、「他サービスより広告は控えめ」とのこと。しかし実感としては、体感30秒が思った以上に長い。心が完全に作品に没入し始めたあたりで割って入ってくる、あのテンポのズレ。これが意外とストレスになる。
390円の「広告フリーオプション」はアリか?
「広告なしにしたければ月額390円を追加してください」
この案内が、広告表示中の画面にもしっかりと現れる。
ここで一つ考えてみたい。
広告が煩わしいのか、それとも390円が高いのか?
月額600円の会費に加えて390円。合計990円になる。しかしNetflixやU-NEXTの価格帯と比較すれば、広告なしの環境を維持したとしても、むしろ安い部類に入る。
以下が簡単な比較表だ:
サービス名 | 広告なしの月額料金 |
---|---|
Prime Video(広告フリー) | 990円 |
Netflix(スタンダード) | 1,590円 |
U-NEXT | 2,189円 |
Hulu | 1,026円 |
Disney+ | 990円 |
正直、ここは「選択の自由」として捉えるべきなのかもしれない。広告付きでも気にならない人はそのままでいいし、ストレスを感じるなら390円を払うのが賢明だ。
ちなみに、自分は今のところ広告付きで耐えている。が、休日に映画三昧する予定の前日には、広告フリーに一時的に切り替えることも検討中だ。
「広告の種類」と「表示タイミング」についての実感値
Amazonは「テレビCMよりは少ない」と言っているが、実際のところは以下のような感じだった:
- 再生前に15秒〜30秒の広告(必ず表示)
- 長編映画では中盤にも1〜2回挿入
- スキップ不可。巻き戻し不可
- 出稿広告は大手ブランド(レッドブル、資生堂など)
正直なところ、「CM自体が悪い」のではない。ただ、映画やドラマの世界観が急に壊れるのだ。せっかく感情が高ぶっているシーンの後に、いきなり「資産形成しませんか?」はちょっと興醒めである。
他サービスとの比較で見えてくるもの
広告付きプランの流れは、Amazonだけに限らない。Netflix、Disney+、ABEMAなど、動画配信業界はこのトレンドに乗っている。
理由は明白。コンテンツ制作コストの上昇である。
ユーザーの選択肢を増やすという意味で、広告付きプランは理にかなっている。が、それが“デフォルト”となったとき、少なからず反発もあるだろう。
自分の場合、他サービスを複数契約しているが、正直すべて広告なしにすると負担が大きい。そこで「1つだけ広告なしで快適に使う」「他は妥協する」というバランスを取っている。
ユーザーはどう動いているのか?
海外では既にデータが出ており、広告なしプランに移行した人は全体の20%程度。自分の周囲でも、「390円くらいなら払う」という声もあれば、「こんなの許せない」と怒る人もいた。
ただ一つ言えるのは、「広告があるかないか」でコンテンツの“味”が変わるということ。
映画やドラマは単なる娯楽ではない。感情に入り込んでいく体験であり、そこに水を差されることへの拒否反応は自然なものだ。
まとめ
結局のところ、今回の変更は「視聴体験を金銭で最適化するかどうか」という問いに尽きる。
広告にストレスを感じない人は、これまで通りの会費で十分だ。
一方で、物語の流れに一点のノイズも許せない人は、390円という価格でその快適さを買うのもアリだろう。
自分は、作品によって切り替える。ドラマは広告ありでサクサク。映画やアニメ映画など“没入型”のものは広告なしプランに一時的に入ることを考えている。
広告があることで冷めてしまう感情と、390円という金額との間で、何を天秤にかけるのか。あなただったらどうする?
いま一度、自分の視聴スタイルを見直すタイミングかもしれない。
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