はじめに
無料で始められて、しかも高速。そんな甘い言葉に誘われてHugoとGitHub Pagesでサイトを立ち上げる人が後を絶たない。かく言う私もそのひとりだった。
だが、サイトを「ただ公開する」だけでは、誰にも届かない。検索に引っかからず、読み込みも遅く、ユーザーが離脱していくのを指をくわえて見るしかなかったのだ。
本記事では、そんな苦い経験から得た教訓と、同じように悩んでいた知人たちとの知見をもとに、Hugo × GitHub Pagesの組み合わせでSEOとパフォーマンスを最適化する方法を、具体的な設定例と共に解説する。
SEO対策の実践方法
タイトルとメタディスクリプションの最適化
まず最初に問いたい。「あなたのサイト、検索結果で魅力的に見えているだろうか?」
タイトルとメタディスクリプションは、検索結果における”顔”である。だからこそ、ここで気を抜くと、いくら中身が優れていてもクリックしてもらえない。
タイトルの工夫
config.yaml
で全体タイトルを設定するのは基本中の基本だが、各ページ固有のタイトルにも魂を込めたい。
title: "ウェブサイトのメインタイトル"
ページのフロントマターでの設定例は以下の通り。
---
title: "SEOに最適なHugoサイト構築法"
---
このように、検索意図に沿ったキーワードを盛り込みつつ、無機質にならない言い回しを心がけるとよい。
メタディスクリプションの活用
クリックされるか否かは、この短い一文にかかっている。数十文字の中に「読む価値がある」と感じさせる要素を詰め込む。
params:
description: "SEOに特化したHugoサイト構築のための完全ガイド"
ページごとの設定は以下のようにする。
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description: "Hugoサイトを最適化する具体的な手法をご紹介。"
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正規URL(Canonical URL)の設定
同じような内容のページが複数存在すると、Googleは混乱する。これが重複コンテンツによるSEOスコアの低下を招く。
それを防ぐ手立てがcanonicalタグである。
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canonical: "https://example.com/specific-page"
---
テンプレート内では以下のように処理するのが一般的だ。
{{ if isset .Params "canonical" }}
<link rel="canonical" href="{{ .Params.canonical }}">
{{ else }}
<link rel="canonical" href="{{ .Permalink }}">
{{ end }}
構造化データとOGタグの追加
見えない部分の作り込みが、検索結果のリッチスニペットやSNSでの視認性向上に直結する。
構造化データ(JSON-LD)
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "WebSite",
"name": "{{ .Site.Title }}",
"url": "{{ .Permalink }}"
}
</script>
OGタグ(Open Graph Protocol)
FacebookやTwitterでの表示を制御できる。クリック率アップの起爆剤にもなる。
<meta property="og:title" content="{{ .Title }}">
<meta property="og:description" content="{{ .Params.description }}">
<meta property="og:url" content="{{ .Permalink }}">
<meta property="og:type" content="website">
<meta property="og:image" content="{{ .Params.image }}">
パフォーマンスの最適化
画像とリソースの圧縮
SEOだけでなく、ユーザー体験の面でも軽快な動作は不可欠だ。読み込みに3秒以上かかると、半分以上の訪問者が離脱するという調査結果もある。
画像圧縮
画像の最適化にはImageMagick
が役立つ。次のコマンドでサイズも品質も調整できる。
mogrify -resize 800x800 -quality 85 image.jpg
CSS/JSのミニファイ
Hugoにはminify
オプションが用意されている。これを有効にするだけでコードが圧縮され、表示速度が改善する。
minify:
disableXML: true
モバイル対応の強化
モバイル端末での見え方は、Googleの評価軸そのものだ。
テーマが対応していなければ、CSSでメディアクエリを追加していくしかない。
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1">
CDNの導入による高速化
GitHub Pages単体では物理的に限界がある。Cloudflareの無料プランを併用すれば、世界中のユーザーに高速配信が可能となる。
DNSの切り替えやキャッシュ設定には少し注意が必要だが、その効果は絶大である。
継続的な改善方法
改善は一度きりではない。継続こそが信頼の証である。
- Google Search Consoleでクロールやインデックス状況をチェック。
- 古い記事も定期的に更新し、情報の鮮度を保つ。
- 内部リンクを工夫し、回遊性を高める。トップページにたどり着かせるのではなく、読ませたいページへ導く設計を。
まとめ
HugoとGitHub Pages。この強力なコンビを選んだ時点で、あなたのスタートは間違っていない。
だが、スタート地点で止まっていては意味がない。
検索エンジンに見つけられ、ユーザーに好かれるには、裏側の工夫と改善の積み重ねが必要だ。
タイトルやディスクリプションで心をつかみ、構造化データでGoogleに理解させ、軽快なパフォーマンスで離脱を防ぐ。
そして、そのすべてを継続し続ける意志こそが、真に成果をもたらす。
未来の読者は、もうそこまで来ている。あなたのサイトに、たどり着けるようにしておこう。
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