はじめに
IT業界を調べ始めると、必ずと言っていいほど目にする言葉が「SIer」と「SES」だ。
求人票や会社説明を読んでも、違いが分かりにくく、何となく雰囲気で理解してしまう人も多い。
SIerとSESって、結局どっちもシステムを作る会社じゃないんですか？何が違うのやら…
でも、この違いを知らないと入社後に『思ってたのと違う！』ってなりがちなんだ。この記事でしっかり整理しよう！
本記事では、SIerとSESの違いを整理し、
「結局、何をやっている会社なのか」「働き方はどう違うのか」を解説する。
SIerとは何か
SIerは、システム開発をプロジェクト単位で請け負う立場にある。
顧客から「こういう業務システムを作りたい」「既存システムを刷新したい」と依頼を受け、
要件定義から設計、開発、テスト、導入までをまとめて引き受ける。
システム構築が主な仕事
SIerの中心業務は、システム全体を組み立てることだ。
サーバー、ネットワーク、ソフトウェアをどう組み合わせるかを設計し、実際に形にする。
単にプログラムを書くというより、
「この業務をどうITで支えるか」を考える仕事に近い。
顧客ごとのカスタマイズ
既製品のシステムをそのまま入れるケースは少ない。
顧客の業務フローに合わせて、設定変更や追加開発を行う。
現場に深く入り込み、業務を理解する力が求められる点が特徴だ。
プロジェクトを動かす役割
SIerは、開発そのものだけでなく、進行管理も担う。
- スケジュール管理
- コスト管理
- 品質管理
これらを調整しながら、期限内に成果物を納める。
プロジェクトマネジメント色が強くなりやすいのもSIerの特徴と言える。
お客さんの『こんな家が欲しい』という要望を聞いて、設計から建築、引き渡しまで全部責任を持つイメージだね
SESとは何か
SESは、技術者を単位として提供するビジネスモデルだ。
会社としてシステムを請け負うのではなく、
エンジニア個人がクライアント先のプロジェクトに参加する形になる。
技術者を一定期間提供する
クライアント企業が「人手が足りない」「特定スキルを持つ人が欲しい」となったとき、
SES企業は自社のエンジニアを一定期間送り出す。
エンジニアは派遣先の指示を受けながら業務を進める。
プロジェクトの一員として動く
SESエンジニアは、クライアント企業のチームの一部として働く。
要件定義、開発、テスト、運用など、関わる工程は案件ごとに異なる。
SIerのように「成果物を納品する責任」は負わないケースが多い。
技術力が評価軸になりやすい
SESでは、
「どんな技術を持っているか」「どの現場で通用するか」が重要視される。
現場が変われば、扱う技術やルールも変わる。
環境適応力が問われやすい働き方だ。
『この工事ができる職人さんが足りないから来てほしい！』と呼ばれて、その現場の監督の指示で動く感じかな
SIerとSESの決定的な違い
両者の違いを一言でまとめるなら、責任の持ち方にある。
- SIerは「仕事」を請け負う
- SESは「人」を提供する
SIerは成果物に対して責任を持ち、
SESはエンジニアの稼働そのものに対して契約が結ばれる。
その結果、働き方やキャリアの積み方も変わってくる。
どちらが良いかは目的次第
SIerが上、SESが下、という話ではない。
向き・不向きと、キャリアの考え方の違いがあるだけだ。
- 全体設計や調整が好き → SIer向き
- 技術を磨きたい、現場経験を増やしたい → SES向き
実際には、両方を経験する人も多い。
重要なのは、仕組みを理解した上で選ぶことだ。
まとめ
SIerとSESは、同じIT業界でも立ち位置が大きく異なる。
- SIerはシステム全体を請け負う
- SESは技術者を提供する
この違いを理解しておくと、
求人の見え方や、将来のキャリア設計が一気にクリアになる。
「何となく」で選ばず、
自分がどんな働き方をしたいのかを軸に考えてみてほしい。
私は色々な現場で技術を磨きたいから、まずはSESで経験を積むのもアリかも…！
それぞれの特徴を理解して、自分に合うキャリアを選んでいこうね
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