はじめに
G検定では、人工知能に関する基礎知識や歴史的背景が頻繁に問われる。
とくに、AI関連組織やサービスの知識は、受験者の理解を試す定番分野だ。
今回紹介する問題は、OpenAIに関する出題。
聞いたことはあるが、他の似た名前のサービスと混同しやすいという人も多いのではないだろうか。
この記事では、実際のG検定の過去問を通して、OpenAIがどんな団体なのかを整理し、混同しやすい選択肢との違いもあわせて解説していく。
問題文と選択肢
まずは実際の過去問を見てみよう。
以下の文章を読み、(●)に最もよく当てはまる選択肢を選べ。
(●)は、2015年に設立された人工知能を研究する非営利団体であり、イーロン・マスクらアメリカの起業家や投資家などが参加し、2016年に(●)Gymの提供をはじめた。
選択肢:
- Git
- Coursera
- Kaggle
- OpenAI
正解は「4. OpenAI」
OpenAIは、2015年に設立された非営利の人工知能研究機関。イーロン・マスクやサム・アルトマンらが中心となって設立され、AIの民主化と安全な開発を目的として活動している。
2016年には、強化学習の研究支援ツールである「OpenAI Gym」を公開し、以後、自然言語処理や画像認識、ゲームAIなど幅広い分野で成果を出してきた。
他の選択肢との比較
この問題で特に注意すべきポイントは、「それっぽいが違う」選択肢が並んでいることだ。
それぞれの団体・サービスの特徴を確認しておこう。
| 選択肢 | 正体 | なぜ間違いか |
|---|---|---|
| Git | 分散型バージョン管理システム。開発履歴を管理するツールとして広く使用されている。 | AI研究団体ではなく、バージョン管理の仕組み。 |
| Coursera | オンライン学習プラットフォーム。大学の講座や専門家によるコースを提供。 | AIの教育リソースは提供しているが、研究団体ではない。 |
| Kaggle | データサイエンスのコンペティションプラットフォーム。AI関連のデータ分析も行われる。 | 研究機関ではなく、ユーザー参加型の分析・共有サービス。 |
| OpenAI | 非営利AI研究団体。ChatGPTやCodexなどを開発し、研究と実装を牽引している。 | ✔︎正解 |
関連知識:OpenAI Gymとは?
問題文にも登場した「OpenAI Gym」は、OpenAIが2016年に公開した強化学習のシミュレーション環境。
たとえば、ロボットの動作制御やエージェントがゲームで得点を稼ぐといったタスクを、仮想環境でトレーニングできる。
以下のような使い方ができる:
import gym
env = gym.make("CartPole-v1")
observation = env.reset()
for _ in range(1000):
env.render()
action = env.action_space.sample()
observation, reward, done, info = env.step(action)
if done:
observation = env.reset()
env.close()
このように、OpenAI Gymは研究だけでなく、教育や試作にも使われる便利なツールだ。
受験対策としては、「Gym=OpenAIの強化学習環境」という対応を覚えておこう。
まとめ
この問題では、AI業界における主要な団体やサービスの知識が問われた。
OpenAIはG検定でも度々登場するキーワードであり、他の選択肢(Git、Coursera、Kaggle)との違いを押さえておくことで、混同を防げる。
✅ OpenAIは2015年設立の非営利AI研究団体
✅ GymはOpenAIが開発した強化学習用の環境
✅ 他の選択肢(Git・Coursera・Kaggle)はそれぞれ異なる分野に属する
G検定においては、「言葉の定義と背景の理解」が得点源となる。
知っているだけではなく、どういう役割を果たしているのかまで整理しておくと、本番でも迷わず選べるはずだ。
この形式で他のG検定過去問の解説もご希望でしたら、ぜひお知らせください。


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