はじめに
Linux Mintは軽量で使いやすく、多くのユーザーに愛されている。しかし、なぜか「シャットダウンや再起動に異常なほど時間がかかる」問題に悩まされることがある。
数秒で電源が切れることもあれば、30分待っても終了しないこともある。なぜ、こんなことが起こるのか?
私自身、この現象に遭遇したことがある。再起動しようとしたら、黒い画面に大量のテキストが流れ、成功を示す「緑の文字」と失敗を示す「赤い文字」が交互に表示される。
最初は気にしていなかったが、ある時30分以上経っても電源が落ちず、さすがに異常を感じた。
この記事では、Linux Mintのシャットダウンが遅くなる原因と、その対処法について掘り下げていく。もし、あなたも同じ問題に悩まされているなら、ぜひ参考にしてほしい。
なぜLinux Mintのシャットダウンが遅いのか?
シャットダウンが遅くなる原因はいくつか考えられる。
1. 終了しないプロセスが足を引っ張る
Linuxのシャットダウンプロセスは、すべてのサービスとプロセスを安全に停止してから電源を切る仕組みになっている。
ところが、あるプロセスが「終了するように」と指示されても応じない場合、システムは一定時間待機し続ける。
特に問題になりやすいのが、CUPS(印刷サービス)やネットワーク関連のサービスだ。過去の事例では、CUPSがシャットダウンを妨げていたケースが報告されている。
対策
シャットダウン時に何が起こっているのかを確認するため、シャットダウン時に ESCキー を押してみよう。これで、どのプロセスが止まらずに足を引っ張っているのかが分かる。
さらに、ログビューアー(journalctl
)でシャットダウンのログを確認するのも有効だ。
journalctl -b -1 -e
このコマンドで、前回のブート(起動)の最後の部分を表示できる。エラーメッセージや停止に時間がかかっているサービスを特定しよう。
2. systemdのタイムアウト設定が長すぎる
デフォルトでは、systemd(システム管理プロセス)は「プロセスが停止するまで待機する時間」を長めに設定している。
そのため、問題のあるプロセスが停止しない場合、システムはかなりの時間待機してしまう。
対策
この待機時間を短く設定することで、シャットダウンの遅延を回避できる。次の設定を変更してみよう。
sudo xed /etc/systemd/system.conf
以下の2行を見つけて変更する。
DefaultTimeoutStartSec=9s
DefaultTimeoutStopSec=9s
この設定は、「プロセスが停止しない場合、9秒後に強制終了する」ことを意味する。変更したら、次のコマンドを実行して設定を反映しよう。
sudo update-initramfs -u
3. ハードウェアの互換性問題
時には、Linux Mintとハードウェアの相性が原因でシャットダウンが遅くなることもある。特に、古いドライバや一部のUSBデバイスが問題を引き起こすことがある。
対策
- BIOS(UEFI)の設定を確認する
一部の設定(特に電源管理関連)がシャットダウンに影響を与えることがある。 - 不要なUSBデバイスを取り外して試す
一部のUSBデバイスがシャットダウンの妨げになっているケースが報告されている。 - カーネルのバージョンを変更する
カーネルのバージョンを変更すると、問題が解決することもある。試しに、以下のコマンドで最新のLTSカーネルをインストールしてみよう。
sudo apt update
sudo apt install linux-generic
その後、PCを再起動し、新しいカーネルで動作を確認する。
まとめ
Linux Mintのシャットダウンが遅い原因として、プロセスの停止遅延、systemdのタイムアウト設定、ハードウェアの互換性問題などが考えられる。対策としては、
✅ ESCキーを押してシャットダウンの詳細メッセージを確認する
✅ ログビューアーでエラーを特定する
✅ systemdのタイムアウトを短縮する
✅ USBデバイスやカーネルの設定を見直す
といった方法がある。
もし、これらの方法でも解決しない場合は、別のLinuxディストリビューションを試すのも一つの手かもしれない。
Linux Mintは優れたOSだが、すべてのハードウェアとの相性が完璧とは限らない。私自身も、過去にMintでシャットダウン問題に悩まされ、一時的にUbuntuに切り替えた経験がある。
あなたのLinux Mintも、もう少しスムーズにシャットダウンできるようになることを願っている。
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