ネオコグニトロンとは?現代のCNNとの違いやG検定頻出の理由を徹底解説【G検定対策】

G検定対策

はじめに

G検定では、人工知能の歴史や構造に関する知識が幅広く問われる。特に、1980年代に登場したネオコグニトロンは、現代の深層学習にも通じる重要な構造として、頻出テーマのひとつになっている。

今回は実際に出題された過去問をもとに、ネオコグニトロンの構造的特徴と他の選択肢との違いを整理していく。


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ネオコグニトロンとは何か?

ネオコグニトロンは、1980年代に福島邦彦によって提唱された視覚パターン認識のためのモデルだ。現在の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の原型とも言える構造を持ち、手書き文字や画像パターンの識別に用いられた。

このモデルは以下の2つの層を基本構成とする。

  • S細胞層(Simple Cell Layer):特徴抽出を担当する
  • C細胞層(Complex Cell Layer):位置のずれに強い処理を行う

S層とC層を交互に重ねることで、より高度な特徴を段階的に学習可能なネットワークとなっている。


実際のG検定過去問

1980年代に提唱されたネオコグニトロンについて、最も適切な選択肢を選べ。

選択肢

  1. インセプションモジュールを組み込んだネットワーク構造である
  2. 最大1,000層以上の層で構成されたネットワーク構造である
  3. 畳み込み13層、全結合層3層で構成されたネットワーク構造である
  4. 特徴抽出を行うS細胞層」と「位置ズレを許容するC細胞層」を交互に多層に接続した構造である

正解は「4. 「特徴抽出を行うS細胞層」と「位置ズレを許容するC細胞層」を交互に多層に接続した構造である」

ネオコグニトロンの最大の特徴は、S細胞層とC細胞層を交互に配置する階層構造にある。
これにより、以下のような利点が生まれる。

  • 段階的な特徴抽出が可能になる
  • 位置ズレに対する頑健性を備える
  • 層が深くなるにつれて、より抽象度の高い特徴を認識できる

この構造は、現代のCNNにおける畳み込み層+プーリング層の組み合わせに非常に近く、ディープラーニングの礎になった技術のひとつとされている。


なぜ他の選択肢は誤りか?

G検定では、正解を理解するだけでなく、他の選択肢がなぜ誤っているのかを明確に押さえておくことが重要だ。

選択肢 内容 誤りの理由
1. インセプションモジュールを組み込んだネットワーク構造 Googleが開発したInception(GoogLeNet)に見られる構造。 ネオコグニトロンとは時代も目的も異なる。Inceptionは2010年代の技術。
2. 最大1,000層以上の層で構成されたネットワーク これはResNetなど超深層ネットワークの特徴。 ネオコグニトロンは数層の構成で設計された初期モデル。層数は比較的浅い。
3. 畳み込み13層、全結合層3層で構成されたネットワーク VGG-16のような現代的CNNの構造。 畳み込みや全結合の層数で分類する方式は、ネオコグニトロンの時代には存在しなかった。

ネオコグニトロンと現代技術の関係

ネオコグニトロンは一見すると古い技術のように思われがちだが、その概念は現在のディープラーニングに深く根付いている。以下のような点で、現代技術と強くつながっている。

  • S層の考え方 → CNNの畳み込み層
  • C層の考え方 → CNNのプーリング層
  • 多層構造による抽象化 → 深層学習の階層的特徴学習

G検定では、こうした技術の進化の流れを把握しておくことが非常に重要となる。


まとめ

ネオコグニトロンは、現在のディープラーニングモデルの原型とも言える構造を持つ。1980年代に登場したこのモデルは、S細胞層とC細胞層を交互に配置することで、特徴抽出と位置ズレへの耐性を実現していた。

✅ 出題傾向としては「構造の理解」を問う問題が多く、インセプションやVGGとの混同に注意が必要だ。
✅ 現代のCNNとどう違い、どこが受け継がれているのかを整理しておくことが、得点力アップにつながる。

G検定の合格を目指す人は、古典的モデルの特徴と現代技術とのつながりをセットで押さえておこう。

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