【ビジネス実務法務検定試験3級】第48回試験 第2問の解説

ビジ法対策

はじめに

本問では、個人情報保護法と営業秘密、契約の成立と解除、契約の種類、手付金の役割についての正しい知識が問われている。それぞれの選択肢を詳しく解説しながら、正解を導いていこう。


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問題 第2問

次の文中の[ ]の部分に,後記の語群から最も適切な語句を選び,解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。
[語群]
① 独占禁止法 ② 収集方法
③ 生存する個人 ④ 公益性
⑤ 破棄方法 ⑥ 不正競争防止法
⑦ 有用性 ⑧ 非公開性
⑨ 隣接性 ⑩ 新規性
⑪ 利用目的 ⑫ 死者を含むすべての個人
⑬ 消費者契約法 ⑭ 秘密管理性
⑮ 個人および法人


2-1:個人情報保護と営業秘密

ア.個人情報の定義

個人情報とは,[ア]に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるものまたは個人識別符号が含まれるものをいう。

【解説】

個人情報保護法では、個人情報は「生存する個人」に関する情報とされている(個人情報保護法2条1項)。
死者を含むすべての個人」や「法人」ではないため、適切な語句は「生存する個人」。

▶ 正解:③ 生存する個人


イ.個人情報の取り扱い

個人情報を取り扱うにあたっては[イ]をできる限り特定し,また,個人情報の取得時には,一定の場合,本人に[イ]を通知しなければならない。

【解説】

個人情報を収集・管理する際、事業者はその「利用目的」を特定し、本人に通知する義務がある(個人情報保護法15条1項)。

▶ 正解:⑪ 利用目的


ウ.営業秘密を保護する法律

顧客情報は,[ウ]上の営業秘密としても保護され得る。

【解説】

営業秘密の保護は「不正競争防止法」により規定されている(不正競争防止法2条6項)。

▶ 正解:⑥ 不正競争防止法


エ.営業秘密の要件(秘密管理性)

営業秘密の要件のうち,X社の顧客情報が[エ]を備えているとされるためには,X社が文書管理規程を作成して情報の保管方法を定めたり,取扱者を限定したりして,情報の漏えいを防止する措置を講じている必要がある。

【解説】

営業秘密として認められるためには、「秘密管理性」が必要(不正競争防止法2条6項)。

▶ 正解:⑭ 秘密管理性


オ.営業秘密の要件(有用性)

X社の顧客情報はX社の事業に活用することができる情報であることから,[オ]の要件も充足する。

【解説】

営業秘密の要件の一つに、「有用性」がある(不正競争防止法2条6項)。

▶ 正解:⑦ 有用性


2-2:契約の成立と解除

ア.契約の成立

契約は,相対立する2以上の[ア]の合致により成立する。

【解説】

契約は、当事者の「意思表示」の合致によって成立する(民法522条1項)。

▶ 正解:⑦ 意思表示


イ.契約の解除

当事者間に契約が成立すると,原則として,当事者の一方が正当な理由なく契約内容を変更したり,契約を[イ]することはできない。

【解説】

契約の解約や無効化を「解除」という(民法540条)。

▶ 正解:⑮ 解除


ウ.双務契約

売買契約や請負契約のように,その契約から当事者双方がそれぞれ他の当事者に対し対価的関係にある債務を負担する契約を[ウ]という。

【解説】

売買契約や請負契約のように、双方が義務を負う契約は「双務契約」と呼ばれる(民法523条)。

▶ 正解:⑤ 双務契約


エ.手付金

契約締結時に当事者が相手方に交付する金銭等を[エ]という。

【解説】

契約締結時に支払われる金銭は「手付」と呼ばれる(民法557条)。

▶ 正解:⑪ 手付


オ.契約の履行

買主は,売主が契約の[オ]するまでは,手付を放棄することによって売買契約を解除することができる。

【解説】

契約の義務を実行することを「履行に着手」という(民法557条2項)。

▶ 正解:③ 履行に着手


まとめ

設問 正解 解説
2-1 ア ③ 生存する個人 個人情報保護法における個人情報の定義
2-1 イ ⑪ 利用目的 取得時に利用目的を通知する義務
2-1 ウ ⑥ 不正競争防止法 営業秘密を保護する法律
2-1 エ ⑭ 秘密管理性 営業秘密として保護される要件
2-1 オ ⑦ 有用性 事業に役立つ情報であること
2-2 ア ⑦ 意思表示 契約の成立には意思表示の合致が必要
2-2 イ ⑮ 解除 契約の無効化や解約を指す
2-2 ウ ⑤ 双務契約 双方が義務を負う契約
2-2 エ ⑪ 手付 契約の成立時に交付される金銭
2-2 オ ③ 履行に着手 契約の義務の履行を開始すること

この問題では、個人情報保護法と不正競争防止法の営業秘密の要件、契約成立の基本要件、契約の解除、手付金の役割などが問われている。
特に、「個人情報の定義と保護要件」「契約の種類と解除のルール」「手付金の法的意味」を理解することで、試験だけでなく実務にも役立つ知識となるだろう。

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