機械学習における学習方法の種類を正確に理解しよう【G検定対策】

G検定対策

はじめに

G検定では、AI・機械学習の基本的な仕組みに関する出題が多く見られる。その中でも、学習方法の違いを問う問題は頻出分野のひとつだ。

今回は、実際のG検定過去問をもとに、「バッチ学習・ミニバッチ学習・オンライン学習」の違いを明確に整理していこう。似た言葉が並ぶため混乱しやすいが、試験対策にとどまらず、実務に直結する重要な知識でもある。


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問題

以下の文章を読み、(●)に最もよく当てはまる選択肢を選べ。

機械学習の学習方法で、訓練データの中から一定数のサンプルをランダムに抽出して利用してパラメータを更新する方法を(●)とよぶ。

選択肢

  1. バッチ学習
  2. ミニバッチ学習
  3. オンライン学習
  4. 教師あり学習

正解は「2. ミニバッチ学習

この問題文には、いくつかの重要なキーワードが隠れている。特に「一定数のサンプルをランダムに抽出」「パラメータを更新」という表現に注目すべきだ。

各選択肢の意味と違い

選択肢 説明 この問題との関係
バッチ学習 訓練データ全体を一括で使って学習する方法 全データを使用するため、ランダム抽出という条件に合わない
ミニバッチ学習 データセットの中から小さなグループ(ミニバッチ)単位で抽出し、都度学習を進める方法 一定数のサンプルをランダムに抽出」という記述に一致する
オンライン学習 データが1件ずつ到着するたびに、都度モデルを更新する方法 サンプル数が常に「1」であるため、一定数という条件に合わない
教師あり学習 入力と正解のペアから学習する手法の総称 学習方法の分類(バッチ・オンライン等)とは異なる軸の概念

ミニバッチ学習とは何か?

ミニバッチ学習は、バッチ学習とオンライン学習の中間に位置するアプローチだ。
全体を一度に処理するのではなく、小分けにしたまとまり(バッチ)ごとに学習を行う。これにより、次のようなメリットがある。

  • メモリ使用量を抑えつつ、高速に学習を進められる
  • 各ミニバッチがデータ全体の傾向をある程度反映するため、学習の安定性が高い
  • ミニバッチサイズを変更することで、学習の「粒度」を調整できる

たとえば、10000件の訓練データがある場合、1回の更新ごとに100件ずつを使って学習を繰り返すといった運用が可能になる。


他の選択肢が誤りである理由

選択肢を間違えないためには、「なぜそれ以外が正しくないのか」まで明確にしておく必要がある。

バッチ学習との違い

バッチ学習は全データを一括処理するため、メモリ負荷が大きく、パラメータの更新も少ない頻度となる。対してミニバッチ学習は、小さな単位でこまめに更新を行うため、より現実的な手法として使われるケースが多い。

オンライン学習との違い

オンライン学習では、1データずつ逐次モデルを更新する。データがストリーム状に到着するようなシステムでは有効だが、バッチ処理向きではない。

教師あり学習との違い

教師あり学習は、「入力データ + 正解ラベル」を使う学習全般を指すため、問題文のような更新手法とは別カテゴリとなる。


ミニバッチ学習の実務例

実際の現場では、ミニバッチ学習は次のような場面で使われている。

1. 画像認識モデルの学習

CNN(畳み込みニューラルネットワーク)などの画像系モデルでは、バッチサイズを32や64といった値に設定し、学習効率と精度をバランスさせることが多い。

2. 自然言語処理(NLP)のトレーニング

文章をベクトル化してニューラルネットワークで学習させる際にも、ミニバッチは重要な役割を果たす。GPUとの相性も良く、効率的に処理できる。


まとめ

G検定では、機械学習における学習の方法そのものが問われる問題が少なくない。今回の「ミニバッチ学習」のように、言葉の違いが微妙であっても、定義を正確に理解すれば選択肢の絞り込みは難しくない。

✅ ミニバッチ学習:データを小さな単位に分けて学習する方法
✅ バッチ学習:全データを一括で使う
✅ オンライン学習:1件ずつ随時更新する
✅ 教師あり学習:正解付きデータで学習する枠組み

こうした違いを押さえることで、G検定の得点力を確実に高められる。繰り返し演習しながら、自信を持って試験本番に臨もう。

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