グリッドサーチとは?ハイパーパラメータチューニングの基本を解説【G検定対策】

G検定対策

はじめに

AI開発における重要なステップの一つが、ハイパーパラメータのチューニングである。
G検定では、このテーマに関連する選択肢問題が繰り返し出題されており、機械学習モデルを理解する上でも避けて通れないポイントだ。

今回はG検定の過去問を題材に、「グリッドサーチ」に代表されるチューニング手法について整理していく。


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ハイパーパラメータとは?

まず、ハイパーパラメータとは何かを確認しよう。
機械学習モデルには、学習によって自動で更新されるパラメータ(例:重みやバイアス)と、事前に設定しておく必要のあるハイパーパラメータがある。

ハイパーパラメータの例:

  • 学習率(learning rate)
  • 決定木の深さ
  • ニューラルネットワークの層数やノード数
  • 正則化係数

これらはモデルの性能に大きく影響を与えるが、自動で最適化されることはなく、開発者が自ら設定または調整する必要がある。


問題その1

では、実際のG検定の過去問を見てみよう。

ハイパーパラメータのチューニング手法の1つである、初期パラメータを複数用意し、それぞれで学習を行いパラメータを決定する手法として、最も適切な選択肢を選べ。

選択肢

  1. ブースティング
  2. ホールド・アウト
  3. バギング
  4. グリッドサーチ

正解は「4. グリッドサーチ


なぜ「グリッドサーチ」が正解なのか?

**グリッドサーチ(Grid Search)**は、あらかじめ設定したハイパーパラメータの組み合わせすべてを試し、それぞれのモデルを学習・評価して最適な組み合わせを選ぶ手法だ。

例えば、以下のように2つのハイパーパラメータをチューニングしたい場合:

  • 学習率:[0.01, 0.1, 0.2]
  • 正則化係数:[0.001, 0.01]

このとき、グリッドサーチは 3×2=6通り の組み合わせでモデルを学習し、最も良い結果を出した組み合わせを選択する。

利点:

  • 全パターンを試すため、漏れがない
  • 再現性が高い

欠点:

  • 組み合わせが多くなると計算コストが非常に高くなる

他の選択肢はなぜ間違いなのか?

G検定では、正解の知識だけでなく、誤答をなぜ選ばないかまで把握することが問われる。以下に、他の選択肢との違いを示す。

選択肢 概要 誤りの理由
ブースティング 弱い学習器を順番に学習させ、誤りを補いながら強力な学習器を構成する手法。 ハイパーパラメータのチューニングそのものではなく、学習方法の工夫に該当。
ホールド・アウト データを訓練用と評価用に分けて検証する手法。 モデルの評価方法であり、ハイパーパラメータのチューニングとは無関係。
バギング データをランダムにサブセット化し、複数の学習器を並列に学習させる手法。 モデルの精度向上のための手法であり、ハイパーパラメータの探索とは異なる。

グリッドサーチの実装例(Python)

Pythonでは、scikit-learnGridSearchCVを使って簡単にグリッドサーチを行うことができる。

from sklearn.model_selection import GridSearchCV
from sklearn.ensemble import RandomForestClassifier

# モデル定義
model = RandomForestClassifier()

# ハイパーパラメータの候補
params = {
    'n_estimators': [10, 50, 100],
    'max_depth': [None, 10, 20]
}

# グリッドサーチ実行
grid_search = GridSearchCV(model, params, cv=5)
grid_search.fit(X_train, y_train)

# 最適なパラメータとスコア
print(grid_search.best_params_)
print(grid_search.best_score_)

このようにして、自動で最も性能の良いハイパーパラメータを選び出すことができる。


まとめ

G検定では、機械学習における「ハイパーパラメータのチューニング」に関する問題が頻出している。今回扱ったグリッドサーチは、手間はかかるが確実な手法であり、実務でも広く使われている。

✅ 正解は「グリッドサーチ」→ 全通り試して最適な組み合わせを選ぶ
✅ 他の選択肢(ブースティング、ホールド・アウト、バギング)は手法の目的が異なる
✅ PythonではGridSearchCVを使えば簡単に実装可能

ハイパーパラメータの理解は、AI開発の精度と効率を左右する。
G検定の対策としてはもちろん、実務でも必ず押さえておきたい知識だ。

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