はじめに
「同じ病気の人と情報交換したい」
「治療中のつらさを分かち合える仲間がほしい」
「日々の体調や通院の記録を残したい」
こうした目的で闘病垢を作ったものの、プロフィールに何を書けばよいのか迷う人は多い。病名や治療状況は伝えたい。しかし、詳しく書きすぎると個人情報が心配になる。情報を減らしすぎれば、どのようなアカウントなのか伝わりにくい。
そこで役立つのが、闘病垢自己紹介カードだ。
闘病垢自己紹介カードは、自分の病気や現在の状況、発信内容、交流のスタンスなどを一枚の画像にまとめたものだ。XなどのSNSに投稿したり、固定ポストに設定したりすることで、同じ境遇の人に自分のことを知ってもらいやすくなる。
本記事では、闘病垢自己紹介カードに書く項目や具体的な例文、作成時の注意点を解説する。無料で使える「闘病垢 – 自己紹介カードメーカー」の使い方も紹介するので、カードを手軽に作りたい人は参考にしてほしい。
闘病垢自己紹介カードとは
闘病垢自己紹介カードとは、病気や障害と向き合う人が、自分のプロフィールや発信目的をまとめるための画像だ。
一般的な自己紹介カードと異なり、次のような情報を整理して掲載する。
- 病名や症状
- 治療や療養の状況
- 休職、休学、入院などの現在の状態
- アカウントで発信する内容
- つながりたい人
- 苦手なことや交流上の注意点
- 利用している福祉サービス
カードを見れば、フォローする前に相手の状況や交流方針を確認できる。発信する側にとっても、毎回同じ説明を繰り返さずに済む。
つまり、闘病垢自己紹介カードは単なるプロフィール画像ではない。同じ境遇の仲間と無理のない距離でつながるための「名刺」として機能する。
病み垢自己紹介カードとの違い
闘病垢と病み垢は、投稿内容が重なることもある。ただし、自己紹介カードに求められる情報には少し違いがある。
病み垢では、日々の感情や人間関係の悩み、弱音を共有する目的が中心になりやすい。一方、闘病垢では病気や治療、通院、生活上の工夫など、情報交換の側面が強くなる。
そのため、闘病垢自己紹介カードでは次の情報が重視される。
| 項目 | 闘病垢で書く内容の例 |
|---|---|
| 病気 | 診断名、症状、併発している病気 |
| 治療状況 | 通院中、服薬治療中、リハビリ中 |
| 生活状況 | 休職中、休学中、自宅療養中 |
| 発信内容 | 体調記録、通院記録、日常の工夫 |
| 交流目的 | 同病の人との情報交換、励まし合い |
| 支援制度 | 自立支援、訪問看護、就労支援など |
詳しい情報が役立つ場面は多い。ただし、すべてを公開する必要はない。自分が安心して公開できる範囲で記入することが大切だ。
闘病垢自己紹介カードに書く項目例
名前と基本プロフィール
最初に、アカウントの基本情報を記載する。
- 名前
- 名前の読み方
- 年代
- 性別
- 居住地域
- 利用しているSNS
本名を書く必要はない。Xで使用しているハンドルネームで十分だ。
年齢についても、「27歳」のように細かく書く必要はない。「20代後半」「30代」「30+」など、年代だけでも交流のきっかけになる。
居住地は「関東」「関西」「東北」のように地方単位で書くとよい。地域の医療制度や福祉サービスについて情報交換しやすくなる一方、市区町村まで公開すると個人を特定される可能性が高まる。
病名や診断名
闘病垢自己紹介カードの中心となる項目だ。
例えば、次のように記載する。
- うつ病
- 双極性障害
- 適応障害
- 起立性調節障害
- 線維筋痛症
- 膠原病
- がん
- パニック障害
- 慢性疲労
- 不眠症
複数の病気や症状がある場合でも、すべてを書く必要はない。アカウントで主に発信する病気や、情報交換したい症状を優先すると分かりやすい。
がんの場合は、無理のない範囲で部位や治療段階を書いておくと、近い状況の人とつながりやすくなる。
ただし、診断名は非常に個人的な情報だ。公開することに抵抗がある場合は、「精神疾患で通院中」「慢性疾患の治療中」のように、少しぼかしても問題ない。
現在の治療状況
病名が同じでも、治療段階や生活状況は人によって異なる。
現在の状況を簡潔に書いておくと、近い境遇の人から見つけてもらいやすい。
記載例は次のとおりだ。
- 定期通院中
- 服薬治療中
- 自宅療養中
- 休職中
- 休学中
- 入院中
- リハビリ中
- 復職準備中
- 在宅勤務中
- 寛解を目指して治療中
治療内容を書く場合も、概要だけでよい。「服薬治療とカウンセリングを継続中」「通院しながら少しずつ復職を目指している」といった表現なら、状況が伝わりやすい。
薬の名前や服用量は、必ずしも公開する必要はない。薬に関する情報は体質や治療方針によって異なるため、他人の服薬内容を自己判断で参考にしないことも重要だ。
アカウントの目的と発信内容
何を投稿するアカウントなのかを書いておくと、フォロー後のミスマッチを防ぎやすい。
例えば、次のような内容がある。
- 毎日の体調記録
- 通院日の備忘録
- 治療中に感じたこと
- 仕事と治療の両立
- 福祉制度に関する情報
- 日常のつぶやき
- 趣味の話
- ときどき弱音
「体調記録が中心」「闘病以外の日常も投稿する」など、発信の割合まで簡単に書くと、アカウントの雰囲気が伝わる。
つながりたい人
闘病垢を作った目的を一言で示す項目だ。
次のように書くと、交流したい相手が分かりやすくなる。
- 同じ病気の人と情報交換したい
- 治療と仕事を両立している人とつながりたい
- 社会復帰を目指している人と励まし合いたい
- 病気への理解がある人と交流したい
- 無理のない距離感で長くつながりたい
- 見る専門の人や無言フォローも歓迎
「誰でも歓迎」とする必要はない。自分が安心して交流できる範囲を示すことが、長くアカウントを続けるコツになる。
趣味や好きなこと
病気以外の情報も、自己紹介カードには欠かせない。
闘病生活では、体調や治療の話題が中心になりがちだ。しかし、趣味や好きなものが共通していると、何気ない日常会話を始めやすくなる。
例えば、次のような項目だ。
- 読書
- 映画やドラマ
- アニメ
- ゲーム
- 推し活
- 音楽
- 手芸
- ペット
- 写真
- 散歩
- カフェ
- お茶
「体調がよい日にゲームをしています」「短時間の散歩が気分転換です」のように、闘病中の生活と結び付けて書いてもよい。
苦手なことやNG事項
交流上のトラブルを避けるため、自分が苦手なことも明記しておく。
よくある記載例は次のとおりだ。
- ビジネスや副業の勧誘はNG
- 投資、宗教、スピリチュアル系の勧誘はNG
- 治療法の押し付けは苦手
- 突然のDMには返信できない場合がある
- 攻撃的な投稿が多いアカウントは自衛する
- 体調によって返信が遅くなる
- 病気や薬を否定する発言は苦手
少し強く見えそうで書きにくいと感じる場合は、「自分の体調を守るため、合わない場合は自衛しています」と添えると、やわらかく伝えられる。
闘病垢自己紹介カードの書き方例
情報交換を重視する例
【名前】まる
【年代・性別】30代 / 女性
【病名】双極性障害Ⅱ型 / 慢性疲労
【現在】休職中・自宅療養中
【発信内容】日々の体調記録、通院の備忘録
【好き】小説、お茶、静かな音楽
【つながりたい人】同じ病気の方、仕事と治療の両立に悩む方
体調に合わせてゆっくり浮上しています。
無理のない距離で情報交換できるとうれしいです。
無言フォローも歓迎です。
情報を項目ごとに分けているため、一目で内容を把握しやすい。初めて自己紹介カードを作る人にも向いている。
ゆっくり交流したい人の例
【名前】△△
【診断】適応障害
【現在】通院しながらパート勤務
【投稿】体調記録、仕事のこと、日常のつぶやき
【好き】映画、猫、散歩
【交流】返信はゆっくりです
体調がよいときに浮上します。
しんどい日は見るだけになることもあります。
同じように社会復帰を目指している方と、
穏やかにつながれたらうれしいです。
ビジネス、副業、治療法の勧誘はお断りしています。
返信や浮上のペースをあらかじめ伝えているため、交流の負担を減らしやすい書き方だ。
「闘病垢 – 自己紹介カードメーカー」とは
自己紹介カードを一から画像編集ソフトで作るのは、意外と手間がかかる。
文字の位置を調整し、プロフィール画像を配置し、全体のバランスを整える。体調が優れないときには、この作業だけで疲れてしまうこともある。
そこで使えるのが、筆者が開発した「闘病垢 – 自己紹介カードメーカー」だ。
XなどのSNSで使える闘病垢自己紹介カードを、入力フォームに沿って作成できる無料ツールとなっている。オレンジ、グリーン、ネイビー、地雷系、夜空、花柄など、複数のテンプレートが用意されている。プロフィールや病歴、傷病名、交流方針、福祉サービスなどを入力し、画像として生成できる。
入力内容や画像はサーバーに保存・収集されない仕組みになっているため、センシティブな情報を扱う自己紹介カードでも利用しやすい。とはいえ、生成した画像をSNSへ投稿すると、その内容は第三者から閲覧できる。入力前に「公開して問題のない情報か」を確認してほしい。
闘病垢自己紹介カードメーカーの使い方
1.テンプレートを選ぶ
最初に、カードのベースとなるデザインを選択する。
シンプルな単色デザインだけでなく、地雷系、夜空、水面、花柄、青空などのテンプレートも用意されている。自分のアカウントの雰囲気や、読みやすさに合わせて選ぶとよい。
迷ったときは、文字を読み取りやすいシンプルなデザインがおすすめだ。情報量が多い場合は、背景の装飾が少ないテンプレートを選ぶと内容が伝わりやすい。
2.文字色やフォントを設定する
次に、カードで使う文字色とフォントを設定する。
フォントは「シンプル」「ポップ」「筆文字」から選択できる。
情報交換を目的とする場合は、読みやすいシンプルなフォントが使いやすい。親しみやすさを出したい場合はポップ、個性的な雰囲気にしたい場合は筆文字というように使い分けるとよい。
文字色は、背景とのコントラストを意識する。明るい背景には濃い文字、暗い背景には明るい文字を合わせると読みやすくなる。
3.プロフィール画像を設定する
プロフィール画像は任意で追加できる。
アップロードできる形式はJPEG、PNG、GIFで、ファイルサイズは5MB以下となっている。
Xで使っているアイコンと同じ画像を設定すれば、カードだけが拡散された場合でも、どのアカウントの自己紹介なのか分かりやすい。
顔写真を使用する必要はない。個人特定を避けたい場合は、イラストや風景、アバターなどを使うと安心だ。
4.基本プロフィールを入力する
Profile欄では、名前、性別、年齢、誕生日、MBTI、利用しているSNSなどを入力できる。
項目が用意されていても、すべてを埋める必要はない。特に誕生日や年齢は、ほかの投稿内容と組み合わさることで個人特定につながる可能性がある。
公開するメリットがある情報だけを選んで入力しよう。
5.病名や交流方針を入力する
Question欄では、次のような内容を設定できる。
- 好きなもの
- 苦手なもの
- つながり希望
- 通話
- DM
- 悩み
- 目標
- 病歴
- 傷病名
- 処方薬
- 障害者手帳
- 障害年金
闘病垢に必要な項目がまとまっているため、何を書けばよいか迷っている人でも整理しやすい。
ただし、病歴や処方薬、手帳、障害年金に関する情報は特に慎重に扱いたい。入力欄があるからといって、必ず公開しなければならないわけではない。
6.現在のステータスや福祉サービスを選ぶ
チェックリストでは、休職中、休学中、入院中などのステータスを選択できる。
福祉サービスについても、就労移行支援、就労継続支援、自立支援、障害者雇用、訪問看護、デイケアなどの項目が用意されている。
同じ制度を利用している人とつながれば、手続きや利用時の工夫について情報交換できる可能性がある。
一方、利用サービスと居住地域を詳しく書きすぎると、通所先や生活圏を推測されることもある。必要に応じて項目を減らそう。
7.フリースペースを入力する
選択式の項目だけでは伝えきれない内容は、フリースペースに記載する。
例えば、次のような一言が使いやすい。
体調により返信が遅くなることがあります。
無理のない距離で交流できるとうれしいです。
同じ病気の方と情報交換したいです。
無言フォローも歓迎しています。
治療法や薬の変更は、主治医と相談して決めています。
商品やサービスの勧誘には返信しません。
文章を詰め込みすぎると読みにくくなる。最も伝えたい内容を2~4文程度にまとめるとよい。
8.スタンプでデコレーションする
任意の画像をスタンプとして追加し、カードを装飾することもできる。
追加したスタンプは、プレビュー上で位置を移動したり、拡大・縮小したり、回転させたりできる。透過PNGを使えば、背景になじむ装飾を作りやすい。
ただし、スタンプを増やしすぎると文字が読みにくくなる。空いているスペースに小さく配置する程度がおすすめだ。
9.画像を生成して保存する
入力と配置が終わったら、「画像を生成」ボタンを押す。
完成したカードを保存し、XなどのSNSへ投稿する。自己紹介ポストに添付したうえで固定ポストに設定すれば、プロフィールを訪れた人が確認しやすくなる。
入力した文字やスタンプの情報はブラウザ内に保存されるため、途中でページを閉じても続きから編集できる。ただし、プロフィール画像そのものは保存されないため、再編集時にはもう一度設定する必要がある。
自己紹介カードを投稿するときのコツ
病名のハッシュタグを付ける
自己紹介カードを投稿するだけでは、同じ病気の人に見つけてもらえないことがある。
投稿文には、次のようなハッシュタグを添えるとよい。
#闘病垢さんと繋がりたい
#闘病中の人と繋がりたい
#うつ病
#双極性障害
#適応障害
全体向けのタグに加えて、具体的な病名のタグを1~2個入れると、近い境遇の人へ届きやすくなる。
ハッシュタグを増やしすぎると投稿が読みにくくなるため、関連性の高いものだけに絞ろう。
投稿文にも簡単な説明を入れる
画像だけを投稿するのではなく、本文にも短い自己紹介を入れる。
闘病記録と情報交換のためにアカウントを作りました。
体調に合わせてゆっくり更新します。
同じ病気の方と無理のない距離でつながれたらうれしいです。
画像を開かなくてもアカウントの目的が分かるため、反応してもらいやすくなる。
定期的に内容を見直す
治療状況や生活環境は変化する。
休職から復職準備へ進んだり、入院から自宅療養へ切り替わったりすることもある。カードの内容と現在の状況が大きく異なってきたら、新しいカードを作成しよう。
無理に細かく更新する必要はない。「今の自分を表していない」と感じたときが見直しのタイミングだ。
闘病垢自己紹介カードを作る際の注意点
病院名や主治医の情報を公開しない
病院名、主治医名、通院日時などは、個人の特定につながる可能性がある。
「関東の病院へ通院中」「月に一度通院している」程度にとどめ、具体的な医療機関名はカードに書かないほうが安全だ。
DMで聞かれた場合も、相手が信頼できるか慎重に判断してほしい。
処方薬や服用量を詳しく書きすぎない
同じ病気の人と薬について話したい場合でも、処方内容をすべて公開する必要はない。
薬の効果や副作用には個人差がある。ほかの人に合った薬が自分にも合うとは限らず、自己判断で服用量を変更するのは危険だ。
カードには「服薬治療中」「薬を調整中」など、概要だけを書く方法もある。
治療法を押し付けるアカウントに注意する
闘病垢には、患者の不安につけ込んだ勧誘が届く場合がある。
例えば、次のような内容だ。
- このサプリで治った
- 薬をやめたほうがよい
- 特定の食事だけで改善する
- 高額な相談サービスを受けるべき
- 投資や副業で治療費を稼げる
病気や治療に関する判断は、主治医や医療専門職へ相談することが基本だ。
自己紹介カードに「治療法の勧誘NG」「ビジネスアカウントは自衛します」と書いておけば、一定の抑止効果が期待できる。
返信できない日があることを伝える
体調が悪い日にまで、返信を頑張る必要はない。
- 返信はゆっくり
- 体調によって低浮上
- しんどい日は見るだけ
- DMに返信できない場合がある
こうした一文を入れておけば、返信が遅れても相手に誤解されにくい。
自己紹介カードは交流を増やすためだけのものではない。自分の負担を減らし、心地よい距離を守るためにも使える。
まとめ
闘病垢自己紹介カードには、病名や治療状況だけでなく、発信内容、つながりたい人、趣味、苦手なことなどを記載する。
すべての項目を埋める必要はない。公開する情報が多すぎると、個人特定や望まない勧誘につながることもある。自分が安心して公開できる範囲を見極めることが大切だ。
「闘病垢 – 自己紹介カードメーカー」を使えば、テンプレートを選び、フォームへ情報を入力するだけで自己紹介カードを作成できる。画像編集に慣れていない人でも使いやすく、病名や治療状況、福祉サービス、交流方針などを一枚に整理できる。
まずは名前、病名、現在の状況、発信内容の4項目から入力してみよう。
無理に自分のすべてを説明しなくてよい。今の自分が伝えられることだけを選び、安心して交流できる一枚を作ってほしい。

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